仙台育英OB・大越基さん「東北の野球少年の劣等感が涙になって出ていった」

 仙台育英の元エース・大越基さん
 選手権大会決勝の帝京戦で力投する仙台育英・大越=89年8月22日
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 「全国高校野球選手権・決勝、仙台育英8-1下関国際」(22日、甲子園球場)

 1989年夏の決勝で帝京に敗れた仙台育英のエースで、元プロ野球・ダイエー(現ソフトバンク)の大越基さん(51)=現山口・早鞆監督=が、東北にとって悲願の初優勝について語った。「東北の野球少年の劣等感」がぬぐえなかったという大越さんは、たくましく頂点に立った後輩たちの姿に思わず涙したという。

  ◇  ◇

 まさか自分が泣くとは思っていませんでした。あの感情は説明するのが難しい。ただ勝利の瞬間から涙が止まらず、後輩たちに「ありがとう」と感謝していました。

 涙のわけを考えてみると、やはりそれは「東北人」だからでしょう。東北の野球少年は、幼少期から雪国の劣等感を持って野球をしてきました。それは兄や先輩たちからも感じていたし、実際に全国大会の抽選で東北が対戦相手だと西のチームから拍手が起こることもありました。

 僕自身、準優勝で終わったという結果も心にずっとありました。でも、堂々とたくましく戦っている後輩たちの姿を見て、そんな劣等感が涙になって出ていったような気持ちでした。

 僕たちの頃から時代背景は随分変わりました。東北の高校が甲子園で活躍し、花巻東の大谷君(現エンゼルス)のような誰もが憧れる選手が出てきた。自分たちも甲子園で勝てると目標が明確になり、県外の選手も来るようになりました。

 山口県で指導者をしているため、下関国際の選手たちの頑張りもよくわかっています。でも、これだけ感動しているということは、ちょっとだけ東北人の血が濃かったのかな。

 僕自身は、自分の預かった生徒たちの身の丈に合った指導をしており、同じ高校野球でも舞台はまったく違います。ただ、身近な下関国際の子供たちがすごい経験をしたのを見て、もう少しだけ甲子園を夢見てもいいのかなとも思いました。(仙台育英OB、早鞆監督)

 ◆大越 基(おおこし・もとい)1971年5月20日生まれ、51歳。宮城県出身。仙台育英では3年春夏に甲子園出場。エースとして春は8強、夏は準優勝へ導いた。早大を中退後、米1A・サリナスを経て、92年ドラフト1位でダイエーに投手として入団。96年に外野手へ転向。2003年に引退後、東亜大で教員免許を取得し、07年に早鞆の保健体育教諭に就任。09年8月から監督。12年春に甲子園出場。

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