国学院栃木 大金星で初の夏2勝 緻密なデータ基にした継投&守備シフトで智弁和歌山封じる

 智弁和歌山に勝利し、ベンチを飛び出す国学院栃木ナイン(撮影・北村雅宏)
 8回、ソロ本塁打を放つ国学院栃木・平井(撮影・北村雅宏)
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 「全国高校野球選手権・2回戦、国学院栃木5-3智弁和歌山」(13日、甲子園球場)

 2回戦4試合が行われ、国学院栃木が夏連覇を目指した智弁和歌山を下した。緻密なデータを基にした継投策と守備シフトで強力打線を封じ、逃げ切った。また、この日で全国49校がすべて登場し、辞退校なく初戦を終えた。

 歴史を塗り替えたナインは、何度もアルプスに拳を向けた。初めての夏2勝。「やった、やったぞ」-。昨夏王者で、優勝候補の智弁和歌山を下す大金星。過去、2度の対戦で敗れていた因縁の相手を下した背景には、データ班の存在がある。一丸野球で撃破だ。

 先発には1回戦・日大三島戦で完投した盛永智也(2年)ではなく、3年生左腕の中沢康達が上がった。柄目直人監督(39)は「盛永用に練習してくるかなという予測。受け身の采配より攻めた采配を」と説明。智弁和歌山の県大会データからも、左投手に利があると先発起用を決めた。

 「五回からは盛永と決めていたので。五回までを1試合、五回以降をもう1試合。2試合を戦うという考え方です」と柄目監督。2回を投げた中沢から平井悠馬(3年)、中川真乃介(3年)とつなぎ、4投手の継投で的を絞らせなかった。

 継投を支えたのは「ウチの肝」と話すデータ班の存在だ。8人で構成される陰の立役者たちは、県大会のデータから各打者の打球方向を分析。三回、2死一、三塁で内野が大きく右方向に移動。打球は一、二塁間を守る遊撃手の正面を突いた。同点の六回は1死二、三塁で前進守備を敷かず、1点OKのシフトで最少失点に止めた。

 聖地を驚かせた“国栃旋風”を支える緻密なデータ。下馬評を覆す勝利も、ベスト4を目指すチームには通過点だ。「身を粉にして資料を作ってくれる。感謝するとともに、先は続く。寝る暇はないんじゃないかな」と柄目監督。次は16日の九州学院戦。共に、前へ。一丸野球の夢舞台には、まだ続きがある。

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