「ソフトバンク３－６オリックス」（１２日、ペイペイドーム）

　異次元の２発にスタンドがどよめいた。右にはすさまじい打球速度で確信弾。左には技ありのバットコントロールでテラス席へ運んだ。オリックス・吉田正が先制弾＆同点弾。「一戦必勝でどのゲームも落とせない」。３５試合ぶりの３番起用で打線に火をつけた。

　まずは、初回１死一塁。１ボールから杉山の１５１キロ直球をフルスイングだ。「一振りで決められた」と右中間席へ５試合ぶりの今季１３号２ラン。ゆっくりとダイヤモンドを一周した。

　１点を追う五回１死では、杉山のスライダーにうまく合わせた。「食らいついていこう」と追い込まれていたが、体の軸がブレない。左中間のテラス席に吸い込まれ、４月３０日以来の１試合２発をマークした。

　母校・敦賀気比は夏の甲子園で８日に１回戦突破。１３日に２回戦へ臨むにあたり「毎年常連になってきている。先輩として、いい活躍ができればと。お互いに励みというか、刺激になっていればいい」。この日の２発は、後輩たちの背中を押す“エール弾”だ。

　紅林に決勝２ランが飛び出し、チームは連勝。今季最多タイの貯金４となった。「連勝していけるように。勝ち越せるように頑張ります」。選手会長のバットが連覇へけん引する。