プロ注目の阿南光・森山 西武・渡辺GMら12球団スカウト集結「内海とかぶる」

 「高校野球徳島大会・2回戦、鳴門渦潮1-0阿南光」(17日、オロナミンC球場)

 徳島大会では今秋ドラフト候補の阿南光・森山暁生投手(3年)が9回6安打1失点と好投しながら、初戦で敗退。NPB12球団のスカウトが集結する中、短い夏を終えた。

 最後の打者が左飛に打ち取られ、二塁走者だった森山は三塁を回ったところで膝に両手を突いた。「我慢しよう思ったが…」。顔はくしゃくしゃで涙が止まらなかった。

 この日の最速は141キロ。三振数も3つにとどまったが、90キロ台のカーブなど変化球との緩急を駆使して打ち取っていった。しかし「下半身の粘りがなくなった」という六回、2死二塁のピンチを背負うと、相手4番に「すっぽ抜けた」高めの直球を右前にはじき返され、痛恨の失点。「もっとやれることがあったのかも。自分の弱いところが見えた」と、エースとして責任を一身に背負った。

 スタンドには12球団、22人のスカウトが集結。西武・渡辺GM、巨人・水野スカウト部長ら“大物”も姿を見せた。ヤクルトの橿渕スカウトグループデスクは「カーブとのコンビネーションが印象的で、全盛期の内海とかぶる」と、Gのエースとして2年連続最多勝を獲得した左腕を引き合いに、最大級の賛辞を贈る。

 悔しさを乗り越えて次のステージへ向かう。高校入学時から進路希望調査書には「プロ野球選手」と書き続けてきた。「プロに入って、今まで支えてくれた人たちに見てもらいたい」。甲子園で校歌を歌う夢はかなわなかったが、次は自分の夢に真っ向から挑む。

 ◇森山暁生(もりやま・あきお)2005年1月11日生まれ、17歳。徳島県阿南市出身。183センチ、83キロ、左投げ左打ち、投手。小3時に羽ノ浦パピヨン(軟式)で野球を始め、中2でヤング徳島ホークスに入団。阿南光では1年夏からベンチ入り。昨年の夏の甲子園にエースとして出場した。

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