ロッテ・佐々木朗希は「170キロ」夢じゃない 日本記録19Kの元阪神・野田さんも素質驚がく

 野田さんがさらなる活躍を期待するロッテ・佐々木朗希
 95年4月のロッテ戦、19三振を奪い日本新記録を達成した野田さん
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 阪神、オリックスで活躍した野球解説者の野田浩司さん(54)が、4月10日のオリックス戦で完全試合を達成し、自身の1試合19奪三振の記録に並んだロッテ・佐々木朗希投手(20)のさらなる活躍に期待を寄せた。自身は95年4月21日・ロッテ戦で当時の1試合奪三振新記録を達成。日本を代表する投手だった野茂英雄氏や伊良部秀輝氏と比べても「それ以上でしょうか。170キロまでいくんでしょうかね」と成長を楽しみにした。

  ◇  ◇

 同じように三振を重ねる姿に27年前を思い出しながらも、ただただスケールの大きさに驚かされた。「僕はランナーを出しながらだった。状況は違う。やっぱりすごい」。野田氏はテレビ中継を見ながらそう感じていた。自身は、強風で右翼・イチローや一塁・藤井の、落球後の三振などの要素も重なり記録が生まれた。完全試合達成の最中の19奪三振に次元の違いを感じた。

 振り返ると、自身も佐々木朗と同じくカギを握る打者を抑えて気持ちが乗ったと言う。「いつもより風が強いな」。ナイターで、当時平均風速8メートルの中、初回からフォークが鋭く落ち、フランコを空振り三振に仕留めた。

 「とんでもないワンバウンドを振ってくれたんです。現役メジャーリーガーが『あれを振ってくれるんや』と思って自信が増していく感じがしました」

 メジャーで、各ポジションで最も打撃に優れた選手が選出されるシルバースラッガー賞を、5度受賞していた助っ人。「楽しみにしていた」という対戦で“確信”を持てた。

 佐々木朗は初回2死での吉田正に、フォークで三振を奪ったところから13連続三振。「圧巻でした。心技体がかみ合ってどのボールを投げても無敵だったと思ったのでは」。吉田正を3三振に抑えた姿は、フランコを4打数無安打3三振に封じた自身と重なった。

 野田氏は1993年に17勝を挙げ、野茂英雄氏と最多勝を分け合った。94、95年には最多奪三振に輝いた伊良部秀輝氏とタイトルを競った。かつてのライバルと、異次元の投球を見せる右腕を比較し「過去の選手と比べてもちょっと秀でていますよね」とうなる。

 「170キロも夢じゃないかも。僕自身一番速かったときは22から24歳ぐらいだった。自分は体が硬かったけど、体の使い方がやわらかいし、しなやかで理想的な投げ方をしていますね」と、大きな伸びしろを感じている。

 野田氏は「ひょっとしたらナイターだったら20三振を達成したのでは」と続ける。

 「僕の感覚ではナイターの方が落ちるボールを振ってくれる感覚はあるんです。そう言っていた選手もいました」と野田氏。94年の17奪三振(神戸)、93年の15奪三振(日生)はいずれも近鉄戦のナイター。佐々木朗の登板は開幕から日曜日のデーゲームが続き、今は金曜日のナイターに変更。新記録誕生への興味も尽きない。(デイリースポーツ・水足丈夫)

 ◆野田浩司(のだ・こうじ)1968年2月9日生まれ、54歳。熊本県出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。多良木から九州産交を経て87年度ドラフト1位で阪神入団。93年にトレードでオリックス移籍。95年4月21日・ロッテ戦(千葉)で1試合19奪三振。最多勝、ゴールデングラブ賞(いずれも93年)。通算成績は316試合89勝87敗9セーブ、防御率3・50。00年の現役引退。04年にオリックス1軍投手コーチ。現・野球評論家。

 ◆野田の19奪三振 オリックスの主戦投手だった野田が1995年4月21日・ロッテ戦(千葉)で日本新記録の1試合19奪三振を記録。7回まで17三振を奪うなど、9回6安打1失点。8回まで無失点に抑えたが、九回に1点を失い同点とされ延長戦へ突入。2番手・平井が延長十回に相手打線に捕まり試合はサヨナラ負けだった。

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