巨人・シューメーカー 来日初星“三度目の正直”2安打完封で決めた 七回2死まで完全
「中日0-3巨人」(23日、バンテリンドーム)
三度目の正直でつかみ取った。来日3戦目の登板となった巨人先発のマット・シューメーカー投手が2安打無四球8奪三振で122球を投げ抜き、来日初勝利を完封で飾った。「選手冥利(みょうり)に尽きる」。七回2死まで完全投球を披露するなど、偉業達成も期待させた快投でチームを今季2度目の6連勝へと導いた。
熱き思いを胸の内に秘め、冷静に投げ進めていった。初回から安定感抜群。140キロ台中盤の直球と130キロ台前半のスプリットを低めに集めて相手を翻弄(ほんろう)し、表情を変えずに黙々とアウトを重ねていった。
七回2死でA・マルティネスに初安打を浴びた後も「仕切り直して、一人一人取っていこうと思っていた」という右腕。疲れもあった中、桑田コーチから「行こうよ」と完封を後押しされ、「信頼に応えたい気持ちに火がついた」。九回を締めると捕手・小林と抱擁を交わし、険しかった表情にようやく笑顔が宿った。
緩急自在で冷静な投球とは裏腹に、自らの信条は「ブルドッグのように相手を支配する気持ちで攻めること」。古くからの闘犬として名高い犬種に自身を重ね合わせ、「ロケット」の異名を取ったメジャー通算354勝のロジャー・クレメンス、メジャー最多の通算5714奪三振を誇るノーラン・ライアンを参考にしたという、左足を高く上げる躍動感あふれるフォームで相手に立ち向かう姿勢を鮮明にする。
巨人入団にあたり、トレードマークだったひげは全てそった。「そらなくていいならそりたくない」と苦笑いを浮かべながらも、郷に入っては郷に従う。「伝統あるチームのユニホームを着て、プレーすることはとても楽しい」。老舗球団でのプレーに誇りを抱き、腕を振り続ける。
◇マット・シューメーカー(Matt Shoemaker)1986年9月27日生まれ、35歳。米国ミシガン州出身。188センチ、102キロ。右投げ右打ち。投手。トレントン高、東ミシガン大を経て、08年エンゼルスと契約。13年9月にメジャー初昇格。14年は16勝4敗でリーグ最高勝率・800。21年はツインズでプレー。同年8月に自由契約となりジャイアンツとマイナー契約。メジャー通算成績は128試合46勝41敗、防御率4・24。





