大阪桐蔭 記録ずくめの大爆勝 大会タイ1試合6発!伊藤は史上初1イニング2発

 「選抜高校野球・準々決勝、大阪桐蔭17-0市和歌山」(28日、甲子園球場)

 大阪桐蔭が投打に圧倒的な力を見せつけて市和歌山を破り、2018年以来の4強入りを果たした。六回に伊藤櫂人内野手(3年)がセンバツ史上初となる1イニング2本塁打を放つなど、チームは6本塁打。1984年のPL学園の大会記録に並んだ。準決勝は休養日を挟み、30日に行われる。

 聖地の空に舞い上がった白球が次々にスタンドへと消えていった。かつて清原、桑田を擁し、“最強軍団”と呼ばれたPL学園が記録した1試合最多本塁打に並ぶ6本塁打。左翼、右翼、中堅へと大阪桐蔭打線が縦横無尽にアーチを描いた。

 “大先輩”が甲子園を沸かせたのと同日の3月28日に怒濤(どとう)の攻撃を見せつけた。号砲は2点リードの五回に谷口勇人外野手(3年)がバックスクリーンへ放った今大会チーム1号となるソロ。さらに2死二、三塁から星子天真内野手(3年)も右中間への3ランで続いた。

 圧巻だったのは、六回だ。「思い切っていこうと思ったら、結果的に入りました」と、先頭の伊藤が市和歌山のエース・米田の127キロを強振。快音を響かせた打球は左中間席へ到達した。

 勢いは止まらない。2死二塁からは代打・工藤翔斗捕手(3年)が右翼席へ2ラン。まだ、両手に最高の感触が残る中で再び伊藤のバットが火を噴いた。今度は高々と打ち上げて左翼席へ。大会史上初の1イニング2本塁打。人生初の豪快な2打席連発で個人通算10号となり、この試合チーム5本目となった。

 決して絶好調ではなかった伊藤の打撃。試合開始直前まで何とかしようと橋本翔太郎コーチと話し合い、本番に臨んだ。「思い切っていこう」。この一言が背中を押し、悩みを吹っ切った。

 最後は七回、海老根優大外野手(3年)が左中間へアーチをかけた。1984年のPL学園以来、38年ぶりの1試合6本塁打。西谷監督は「本当にホームランを打てるチームではないので、ちょっと6本も出たことは本人たちも私もビックリしています。その時の選手とは全然違うと思いますけど、記録としてそういうのができたのはありがたい」とナインを褒めた。

 最終的には18安打で17-0の大勝。4年ぶりの4強入りを決めた。準決勝は国学院久我山が相手だ。史上2校目の全国4冠(明治神宮大会、春夏の甲子園、国体)へ。常勝軍団の視界は良好だ。

 【大阪桐蔭(対市和歌山)記録アラカルト】

 ◆個人1試合最多本塁打=2 伊藤が記録。19年の東邦・石川以来26人目。

 ◆個人2打席連続本塁打 伊藤が記録。17年の福岡大大濠・樺嶋以来13人目。

 ◆代打本塁打 工藤が記録。17年の大阪桐蔭・西島以来6人目。

 ◆チーム1試合最多本塁打=6 大会タイ。84年にPL学園が砂川北戦で記録して以来2度目。

 ◆チーム1試合最多塁打=43 大会新。

 ◆1イニング最多本塁打=3 大会タイ。11年に九州国際大付が記録して以来2度目。

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