花巻東・佐々木麟太郎 無安打2K涙「ふがいない」あと1点遠く聖地デビュー戦で散る

 1回、空振り三振となり悔しがる佐々木麟太郎
 初戦敗退となり、悔しそうに引き揚げる佐々木麟太郎(右から4人目)ら花巻東ナイン(撮影・石井剣太郎)
 1回、佐々木洋監督(左)と話す佐々木麟太郎(撮影・伊藤笙子)
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 「選抜高校野球・1回戦、市和歌山5-4花巻東」(23日、甲子園球場)

 「岩手から日本一」を掲げて、4年ぶりのセンバツに挑んだ花巻東(岩手)は市和歌山に敗れ、初戦敗退となった。高校通算56本塁打を誇る注目のスラッガー・佐々木麟太郎内野手(2年)は聖地デビューとなったが、市和歌山の米田天翼投手(3年)を攻略できず4打数無安打2三振。試合後は「ふがいない」と悔し涙を流し、夏にまた戻ってくることを誓った。

 夢に見た甲子園は、やはり甘くなかった。同点の走者として三塁にいた佐々木は最後のバッターのアウトを確認すると、ホームベース横で立ち尽くした。市和歌山の米田を攻略できず、4打数無安打2三振。「ふがいない結果でチームの得点に貢献することができなかった。自分の責任を今強く感じています」。試合後のオンライン会見では涙を流した。

 初回、いきなり無死一、二塁の好機で回ってきた聖地初打席。応援団、観客の視線が佐々木に集中した。カウント3-2からの8球目。高めに浮いた140キロのまっすぐに反応したがバットは空を切った。2打席目は空振り三振、3打席目は三飛、4打席目は一ゴロと、終盤まで米田を捉えられなかった。

 2点差で迎えた九回2死一塁の最終打席は死球。同点のランナーとして出塁し、4番・田代旭主将(3年)の中前適時打につないだ。現在の高校通算本塁打は同校OBの大谷翔平(エンゼルス)と同じ56本。大谷超えとなる一発に期待もあったが、自分がどれだけ注目されようとも、終始口にしてきた「チームの勝利のために」を体現した打席だった。

 「岩手から日本一」を達成するため、できることは全てやってきた。昨年12月の両肩手術からバットを振り始めたのは約3カ月後の今月上旬。急ピッチで仕上げていく中で不安もあったが、対外試合解禁後の練習試合で6発をマークし「焦りとか多い中でここまで持ってきた」とこの日はフルスイングした。

 あと1点が遠く、悔しさが残る聖地デビューとなったが、甲子園を経験したからこそ、さらに強くなった思いもある。「甲子園の舞台で今度こそは目標である日本一を取れるように0からやり直していきたい」。この夏、レベルアップした姿で必ず帰ってくる。

 ◇佐々木麟太郎(ささき・りんたろう)2005年4月18日、岩手県北上市出身。183センチ、117キロ。右投げ左打ち、内野手。幼少期から野球を始め、江釣子小1から江釣子ジュニアスポーツ少年団に所属。江釣子中時代は金ケ崎リトルシニアでプレーした。花巻東では1年春からベンチ入り。高校通算56本塁打。50メートル走6秒9、遠投100メートル。

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