ロッテ・佐々木朗 3・11「思い出してもらえたら」津波で父失い避難所生活「支えに感謝」

 東日本大震災から11年を迎え、思いを語る佐々木朗(撮影・開出牧)
 試合前に黙とうをささげるロッテナイン。左から2人目が佐々木朗
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 「オープン戦、ロッテ1-3西武」(11日、ZOZOマリンスタジアム)

 東日本大震災から11年を迎えた11日、オープン戦などが開催された球場では黙とうが行われ、半旗が掲げられた。小学3年時に被災し、津波で父・功太さんを亡くしたロッテ・佐々木朗希投手(20)は、プレーできることに感謝の思いと、故郷・東北の人々を勇気づける活躍を誓った。

 一塁ベンチ前で静かに目を閉じ、半旗が掲げられたバックスクリーンを向いて、犠牲者への黙とうをささげた。3月11日は特別な日。11年が過ぎても当時のことは絶対に忘れられない。佐々木朗は神妙な表情で現在の心境を語った。

 「その時のつらさはなかなか消えないですけど、その中でもたくさんの方々の支えがあって、野球に打ち込めている。支えてもらった人たちには感謝しかないです」

 震災直後、陸前高田市の自宅は津波で流され、老人ホームでの避難所生活を経験した。それでも大好きな野球に打ち込み、プロ野球選手へと成長した。厳しい環境の中でも野球を続けることができたことに強い感謝の思いを持ちながら、発信力のある立場として、風化させないよう世間に伝えていく覚悟だ。

 「こうして僕が話すことで思い出してもらえることに意味がある。(震災を)知らない子もたくさんいる。身近にいる大切な人たちのことを、今よりも当たり前と思わずに向き合ってほしい」

 プロ3年目を迎え、オープン戦では自己最速タイの163キロをマークするなど、進化した姿を見せる佐々木朗。その剛速球で故郷の人々や、天国の父、祖父母を喜ばせるために右腕を振る。

 「今年は1年間、ローテで回れるように。試合でたくさん投げて、ひとつでも多く、いいプレーを見せられるように頑張っていきたい」。強い覚悟を持って、飛躍のシーズンへ向かっていく。

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