ソフトバンク・王会長「ホークスの恩人」 「あぶさん」舞台のホークス関係者が水島氏追悼

 「ドカベン」「あぶさん」「野球狂の詩」などの野球漫画で知られる漫画家の水島新司氏が10日、肺炎のため東京都内の病院で死去したことが17日、分かった。82歳。新潟市出身。

 水島氏は南海時代からのホークスファンで「あぶさん」の舞台にもした。10年ほど前までは毎年のようにキャンプ地にも足を運び、首脳陣や選手らを激励。ホークスとは切っても切り離せない水島氏を、ソフトバンク関係者も悼んだ。

 王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(81)は「あぶさん」で、特に連載後半では準主役級でたびたび登場。「南海、ダイエーとホークスが弱い時に支えていただいたホークスの恩人です。私がホークスに来た時もキャンプやグラウンドに来て熱心に応援していただきました」と、球団を通して感謝を示した。

 また、ソフトバンクの元監督・秋山幸二氏(59)は「先生の作品は小さい頃からよく読ませていただいた。やっぱり『ドカベン』だね。プロ野球選手でも影響を受けた人は多いはず。個性豊かな登場人物に私もイメージ力をかき立てられた」と悼んだ。

 「あぶさん」の主人公、景浦安武が2009年限りで引退した際には、ソフトバンクの本拠地最終戦後に「引退セレモニー」が行われた。当時監督だった秋山氏は水島氏に花束を贈呈。「『あぶさん』では大の飛行機嫌いなのに、福岡まで足を運ばれて選手だけでなく首脳陣、スタッフ、裏方さんまで熱心に取材されていた。雑談の中からヒントを得ていたのだろう」と振り返っていた。

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