ヤクルト・村上 異例の“嘆願”熊本県知事に新球場を 子供たちに「いい環境を」

 ヤクルトの村上宗隆内野手(21)が28日、熊本県庁で「くまもと夢づくり賞」を贈呈された。蒲島郁夫県知事(74)にお願いしたのは新球場設立と藤崎台球場の改修。贈呈式での異例の“嘆願”は、子供たちへの思いがあふれていた。

 東京五輪での金メダル獲得への貢献度や、プロ3年目から続けている熊本城復興支援の功績が評価されて同賞を贈られた。冒頭のあいさつで村上は「一つお願いなんですけど…」と切り出した。そこで要望したのは、新球場設立と藤崎台球場の改修だった。

 新人王を獲得した19年オフにも、故郷での試合開催を願っていた主砲。かねての「もう一度熊本に帰ってきて野球がしたい」という思いは、プロとしての歩みを進めるにつれ、「新球場を作ることで、プロ野球チームも来やすくなる」と思うようになった。

 さらに自身にとってもたくさんの思い出が詰まった藤崎台球場の改修も願った。熊本で育つ子供たちにとって、同球場は特別な場所でもある。「僕自身野球が大好き。これからを担っていく野球選手たちに、いい環境を作ってほしい」と思いを込めた。

 故郷から届く声援を力に、日本一の4番になった今季。「球場が完成するまで長い時間がかかるので、僕もそれまで現役を続けられるように頑張りたい」。夢をつなぎ、希望を与えていく。

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