清原氏長男“再転身”に見る野球の可能性 小6以来の復帰「一つのケーススタディー」

小6以来の野球復帰を果たした慶大・清原正吾内野手
 新人戦で“神宮デビュー”を果たした慶大・清原正吾=6月2日
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 デイリースポーツの記者が今年を振り返る企画「番記者ワイドEYE」。今回は大学から野球に再挑戦中の慶大・清原正吾内野手(1年・慶応)にスポットを当てる。西武や巨人などで活躍した父・和博氏(54)の長男として注目される中、小6以来の競技復帰自体が異例。チャレンジの意義にアマチュア野球担当・佐藤敬久記者(31)が迫る。

  ◇  ◇

 186センチ、90キロ-。正吾が誇る恵まれた体格はグラウンドで映える。6月2日の東京六大学野球春季フレッシュトーナメント・1次リーグの東大戦。七回1死走者なしからの代打で“神宮デビュー”を果たした。

 右飛に終わった結果以上に、振り抜いたスイングからは確かな可能性を感じさせた。中学でバレーボール部、高校でアメリカンフットボール部に所属。小学時代は軟式チームでプレーしていた。硬式を本格的に扱うのも初めてのルーキーが、新人戦ながら名門でベンチ入りをつかんだことに大きな意味がある。

 異例の競技再転身は始まったばかりだ。「まずは練習が足りていないので。みんなとのブランクの差をコツコツ埋めていきたい」。本人が冷静に現状を見つめる中、ひたむきさは首脳陣も認めるところ。「よく一人で残ってティーバッティングをしています。貪欲です」と堀井哲也監督(59)は取り組む姿勢にうなずく。

 “2世選手”としてのネームバリューに隠れがちだが、正吾の存在は野球界の光になりうる。各世代で競技人口は減少傾向の一途。11月に1、2年生で参戦のオータムフレッシュリーグを指揮した上田誠コーチ(64)の言葉が心に響いた。

 「(正吾は)野球未経験者みたいなものですから。野球を経験していない選手が大学に入ってきて、どれくらい対応できるかという一つのケーススタディーみたいな感じで考えてやっているということですね」

 複数競技をこなすのも珍しくない米国に比べ、日本は幼いころからやってきたスポーツ一筋になりやすい。特に野球は高校以上のカテゴリーからの転向や復帰の例が少ない。なかなか一歩を踏み出せない“未来の球児”へ、正吾のチャレンジが背中を押す可能性を秘めている。

 もちろん、選手としてのポテンシャルも十分だ。「フリーバッティングなんかを見ていると、ちょっと誰よりも(打球が)飛んでいくので。KEIOの育成力が試されている」と上田コーチ。大学4年間で名門のレギュラーへと駆け上がれるか-。純粋に楽しみだ。

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