昨年２月１１日に逝去した名将・野村克也氏（享年８４）をしのぶ会が１１日、神宮球場で執り行われ、教え子である日本ハム・新庄剛志監督（ビッグボス）も参列した。

　新庄監督はグレーのジャケットに黒のタートルネックで出席。実は衣装は野村氏が愛用していたもので、息子の克則氏（現阪神コーチ）を通じてプレゼントされたものだと明かした。

　野村氏のモノマネをした新庄監督は「おい、新庄、きょうはありがとな。かっこいい服着てるやないか」と言われるだろうと予想。監督と選手の間柄だった阪神時代にヴェルサーチを勧めたところ、ノムさんも愛用するようになり、一緒に買い物に行った思い出などを振り返った。

　「何十年前、野村さんがヴェルサーチをずっと着てて。このタートルネックと洋服（ジャケット）は野村さんにいただいたもの。この会に着たくて着たくて。体型が違うから、お直しに時間はかかった。めちゃくちゃ伸ばしてこれ。野村さんが一番、このジャケット、タートルネックを着てて、僕がものすごく、これがほしいって言って頂きました。まだ匂いも残っている感じです」

　阪神時代に指導を受けた野村氏を“恩師”として慕っていた新庄監督。この日、日本ハム監督に就任したことも改めて報告し、「野村さんから教えてもらったタイガース時代、野村の考えを、今インプットしている。たぶん、監督になったと聞いたらビックリするでしょうね。『お前が監督になったのか？逆に面白い、おれの考えと宇宙人的な考えがミックスされたら面白い』と言ってくれると思います」と笑った。

　恩師からかけられた言葉で印象的だったものは「『憎らしいほどかわいい』。その言葉が印象的でした。野村さんは２年目で４番で起用してくれた。『何番がいい？』『それは４番でしょう』と。そしたら次の日から４番。あの４番がなかったら僕はメジャーにもスカウトされない」などと語った。

　野村氏を「プロ野球のお父さん」と表現し、「人間的に成長しなさい、と教わった」と感謝。野村氏の教えである「ファンあってのプロ野球」を意識していくことを誓っていた。