日本シリーズ第3戦に向けた展望「今はヤクルトに分がある」岡義朗氏の視点

 前日、完封勝利の高橋をたたえる石川(撮影・金田祐二)
 笑顔を見せる高橋(撮影・金田祐二)
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 2試合を終えて1勝1敗の日本シリーズ。23日には東京ドームで第3戦が行われるが、デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は、現状はヤクルト有利という見方を示し、その上で2試合を分析した。

 オリックスが第1戦でサヨナラ勝ちし、ヤクルトは高橋の完封で第2戦を勝利した。その流れを踏まえて、今はヤクルトに分があると感じるが、そこに至る2試合、特に第1戦を振り返りたい。

 大前提として、宗と吉田正の見事なバッティングによるサヨナラ勝ちだったことは間違いない。その上で、九回無死一、二塁の場面を振り返ると、中嶋監督はここで送りバントを選択した。まず同点という手堅く映った策は、間違いではないが少し疑問はあった。

 バントが成功すれば1死二、三塁。ただ、ヤクルト側からすれば、抑えのマクガフがヒットと四球という嫌な流れで招いた無死一、二塁で、1つアウトを取ることができれば心理的に楽になり、開き直ることもできる。2人の走者が帰っても同点であり、うまくいけば1点で止められるかも、とも思える。

 そう考えると、まずは確実に1つアウトを取っておくべきだった場面。ただ、バントを処理したマクガフの三塁への送球が少し逸れ、村上が捕球しきれず野選となり、無死満塁となった。

 タイミングはアウトに見えたので、その判断が間違っていたとは言い切れない。ただあの場面では、ファーストでのアウトという認識はあっただろうが、ベンチがより徹底させても良かったし、アウトを1つ取れていれば流れも変わったのではないかと思う。

 中嶋監督からすれば、相手のミスからサヨナラにつながったわけで、送りバントがタイミング的にはアウトだった中、あの場面で打たすのと送らせるのではどちらが良かったのか。結果論になるが、送りバントが成功して1死二、三塁となっていれば、果たして結末はどうなっていたのかを考えると、短期決戦で一つのミスが及ぼす影響と怖さを改めて感じることができる。

 高津監督の第2戦での投手起用は、おそらく第1戦での負け方を踏まえた上でのもので、最後まで高橋に託した策が的中した。数字上の勝敗は五分でも、ヤクルトに分があると考えるのは、第1戦の痛い敗戦を引きずらず、勝ちきって東京に戻れるという気持ちの部分が一つある。

 さらに東京ドームでの試合となるが、DHがなくなり普段の戦いをできることも大きい。オリックスからすれば、投手が打席に入り、状況次第でバントを確実に決められるかどうか、さらに延長戦もある中で投手に代打を送るタイミングや、それに伴う継投など、普段とは違う戦い方が強いられることになる。

 まず23日の第3戦をどちらが取るか。ここまでの2試合を踏まえた両監督の手腕に注目したい。

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