G.G.佐藤氏「どうして清田の手助けを?」に対する思いとは-重なる「世紀の落球」

 西武、ロッテなどでプレーしたG.G.佐藤氏が5日、「note」で自身のブログを更新。「『どうして清田の手助けなんかするの?』という問いに対する唯一の答え」と題して元ロッテの清田育宏氏について語った。

 佐藤氏は、5月の清田氏のロッテ退団後に手を差し伸べ、練習場を提供、自主トレを手伝ってきた。4日に投稿したYouTubeチャンネル「トラバースTV」では、清田氏が「契約解除は違法で無効」と球団を提訴したことを受けて、本人と面会したことを明かし、一部で理解も示した。

 この日の投稿では、前日の投稿を受けて「『清田なんかと縁を切れ。その方がG.G.のためだぞ』的な意見が結構あって、それについて書きたいと思います」として、自身の思いを述べた。

 「確かに、損得で考えれば、清田のサポートをすることは損もあると思います」と前置きした上で「では、それを承知でなぜ僕が清田を助けるのか。それは、僕自身が2008年の北京五輪で重大な失敗をした経験があるからに他なりません。」と明かした。

 メダルを逃した北京五輪では、佐藤氏は準決勝韓国戦でトンネルと落球の2失策、米国との3位決定戦では落球。「世紀の落球」を含む計3失策で戦犯扱いされた。

 佐藤氏は当時を「帰国したら大バッシング。本当に死にたいと思ったし消えてなくなりたいとも思いました。」と振り返り、それから13年を経て「完全に立ち直ってなんかないし、立ち直ることは今後もきっとない。でも、あの経験があったからこそ、『自分を許す』こと、『失敗した人を許すこと』を心掛けるようになったと思います」と心境を綴った。

 その上で、「僕が清田を助けるのは、彼の行動を肯定しているからではありません。彼という人間を許そうと思ったからです。清田に対する筋の通った批判も、ただの誹謗中傷もたくさん見てきました。好きな球団に汚点を残した清田を許せない気持ちは分かる。ヘイト感情もあるでしょう。でも、彼にも養うべき家族がいるし、人生があるのです」と手を差し伸べる理由を語った。

 佐藤氏は現在、測量調査などを行うトラバース社の副社長として元野球選手を受け入れている。その思いを「セカンドキャリアに進む上で、少しでも気持ちの切り替えが出来るようにしてやりたい」と記している。

 ブログの最後には、昨今のSNSでの誹謗中傷問題にも触れた上で「想像して欲しいんです。失敗した人間を、全て否定して、ただ切り捨てるだけじゃない社会を。『G.G.夢見てるんじゃねえ!』って言われるかも知れないけど、それを夢見てる人は、この世界に僕一人ではないと信じています。」と結んでいる。

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