ロッテ・鳥谷【引退会見一問一答】阪神時代は「楽しいというよりは苦しい16年間」

淡々と心境を語るロッテ・鳥谷敬=ZOZOマリンスタジアム(撮影・佐藤厚)
胴上げは固辞し記念撮影に向かうロッテ・鳥谷敬(中央)=ZOZOマリンスタジアム(撮影・佐藤厚)
ロッテナインに引退のあいさつをする鳥谷敬=ZOZOマリンスタジアム(撮影・佐藤厚)
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 ロッテの鳥谷敬内野手が3日、ZOZOマリンスタジアムで現役引退会見を行い、思いの丈を語った。代表者による質疑応答は以下の通り。

 (冒頭のあいさつ)「鳥谷敬は今シーズンをもって、ユニホームを脱ぐことを決断しました。阪神で16年、ロッテで2年間、18年、たくさんのファンの方に応援していただき、感謝しています。この会見で感謝の気持ちを伝えたらなと思っています」

 -引退の率直な気持ちは。

 「本当に、野球をするためだけに、毎日の準備だったりとか用意していたので。それが、この数日はないので、少し自分としても楽な気持ちと、やることないなという、そういう気持ちとが行ったり来たりしています」

 -引退決断の理由は。

 「一番は自分が本当に今年1年間の中でチームの勝利であったりとか、チームのためにと思って、なかなか貢献というのがなかったですし、そろそろ自分がやめなきゃいけないなという感じではいたので。シーズン、ロッテの日程が終わった時に、その気持ちに変わりがなかったのでやめようと思いました」

 -引退の相談は誰かにしましたか。

 「相談は誰にもせずに、やめるって決めたことを、自分がお世話になっていた人たちに告げるっていう(形でした)」

 -阪神退団時にご家族が現役続けてほしいと。家族に引退報告したときにかけられた言葉は。

 「やめるって言った時は、それに対してどうっていうのはなくて。お疲れ様という言葉をもらいました」

 -子どもからは続けてほしいという言葉なかったのか。

 「電話だけで直接会ってはまだ言えていないので、(子どもが)なんて言うかは分からないですけど、やめるっていうのはしっかり受け止めているので、とくに何かを言われたというのはない(と思います)」

 -40歳。ここまで野球を続けてこられた理由は。

 「試合に出れるか出れないかというけがをすることもありましたけど、その日、その日、その瞬間、その瞬間、自分のできるベストっていうのを常に探して、それを自分で毎日やり続けた、その結果が長くできたのかなと思います」

 -練習が多いと聞きます。練習に対する考えは。

 「自分自身、練習をたくさんしているという感覚はなくて、本当に人より劣っているものがたくさんあったので、練習をしないと、当然、その人たちに追いつくことも追い越すこともできなかったので、練習をしているというよりは自分の足りないものを毎日考えてやっていたら、勝手に練習するしかなかったという感じですね」

 -阪神の16年はどのような日々だったか。

 「本当に苦しいというか、毎日がやっぱり大変な日々だった、というのが一番強いですかね。毎日試合に出て、毎日同じことの繰り返しになりますし。試合の勝った負けた、打つ、打てない。いろんなことが毎日あるので。そういう意味では楽しいというよりは苦しい16年間だったかなと思います」

 -ロッテの2年間は人生においてどんな意味がある。

 「試合の中でいろいろチームに貢献したいという思いできましたけど、それはなかなかできなかったですけど、タイガースの時に経験できなかった、試合に後からいく難しさだったり、2軍で若い選手たちと一緒に練習したりとか、野球選手としてというよりは、人間としてたくさん勉強させてもらって、あそこでやめなくてよかったなと思います」

 -今後、将来期待できそうな若手は。

 「みんなそれぞれ本当に自分が入った時よりもすごいものを持っている選手っていうのはたくさんいるので。でもやっぱり、この世界、少ないチャンスだっったり、チャンスを生かすためにみんな準備をしていると思うんですけど、誰が一番とかはないですけど、みんなそれぞれ本当にいいものを持っているので、それを発揮して、1日でも長くプロ野球選手として頑張ってほしいなと思います」

 -この記録はうれしかった、誇れる、というものは。

 「誇れる記録…。あまり数字に対しては全てが、1年で(自分が)何かすごい数字を残したことはないので、トータルで試合に出続けるということは常に、やっぱり自分としては頭に置いてやっていましたし、成績というよりは2軍に落ちても、試合に出られなくても、毎日、やっぱりしっかり準備を怠らず、本当にやめると決断する日までできたので、誇れるとしたら、数字よりは、その生活というか、日々というのが人より誇れるものかなと思います」

 -ファンの存在は。

 「あまり愛想がいい方ではないので、いろいろできたかな?っていうのはありますけど。当然、試合に出ている時も声援を感じましたけど、試合に出れなくなって、打席が1打席しかない場面だったりとか、鼻にボールがあたってその次の日だったりとか、より歓声を多く聞ける場面がロッテに来てからもそうですけどあったので、自分の背中を押してくれるというか。心が折れそうな時にたくさん助けてもらったなという思いがあります」

 -現役生活を終えて心残りは。スッキリしていますか。

 「心残りはないですね。本当に入った1年目から、いつやめてもいい、じゃないですけど。あしたやめるとなった時に自分はどうするのかということを常に自分に聞きながらやっていましたし、1日だったり1カ月だったり1年だったりその積み重ねで今日まで来て。それが本当にやめるっていう日が来たんだなという感じなので、そんなに悔いはないですし、スッキリして終われます」

 -今後の人生でやりたいことは。

 「当然、野球があって、野球のおかげでいろんなことを知ることもできましたし、野球のおかげで今の自分があるので、野球に対して恩返ししたいという気持ちはありますので。ある程度野球に携わりながら、自分の新しくやりたいことっていうのを、ここから探していきたい」

 -仲間には。

 「必ず始まるということは、終わりがあるので、選手のみんなも現役生活がいつかは必ず終わるので、今ある時間を大切にしてほしいなという話はしました」

 -胴上げをしてもらわなかった。

 「今日は会見がメインなんで(笑)。その前に汚れたり、(服が)破れたりしたらいやだったので」

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