日本ハム・斎藤佑、万感ラスト登板 本拠・札幌で最後の勇姿 真剣勝負の結末は四球

 「日本ハム4-3オリックス」(17日、札幌ドーム)

 今季限りで現役を引退する日本ハムの斎藤佑樹投手(33)が17日、札幌ドームで行われたオリックス戦で引退試合に臨んだ。久しぶりの本拠地登板は、真剣勝負で打者1人に対し四球。早実時代の06年に夏の甲子園を優勝し、早大では通算31勝と華々しい成績でプロ入りも、度重なるケガに悩まされた“佑ちゃん”が、11年間のプロ生活に別れを告げた。

 真っ暗な札幌ドーム。上限いっぱいの1万3618人の観衆が見守る中、スポットライトが背番号1を照らした。球場が静まり、ゆっくりと斎藤佑は言葉を紡いだ。

 「『斎藤は、持っている』と言われたこともありました。でも本当に持っていたら、いい成績も残せたでしょうし、こんなにケガもしなかったはずです。ファンの皆さんも含め、僕が“持っている”のは最高の仲間です。皆さんと過ごした時間は僕の一生の宝物」。活躍を夢見てきた北の大地で、現役最後の別れを告げた。

 19年9月27日のオリックス戦以来、751日ぶりとなった1軍登板。双方遠慮なし、真剣勝負の7球だった。「準備はしてきた。ただ抑えにいきました」。1点リードの七回に登板し、福田と対戦。初球129キロの直球で見逃しのストライクを取ると、大きな拍手が降り注いだ。その後、フルカウントに持ち込まれると、再び場内からは大きな拍手が斎藤佑の背中を押す。だが、三振を狙って投じた外角へのツーシームは外れ、苦笑いの四球に。内野手が集まったマウンド上では笑顔を見せ、現役最後の登板を終えた。

 「泣く雰囲気じゃないし、泣かないだろうなと思っていた」

 そう語る右腕だが、ベンチに引き揚げ、栗山監督から肩をたたかれると涙があふれ出た。「これで、プロ野球選手として野球をするのが最後なんだというのを感じた」。タオルで顔をぬぐったが、その後の戦況を見守る目からも涙が何度も糸を引いた。

 1軍の舞台で活躍することを夢見てきたが、右肘じん帯断裂など度重なるケガとの戦いだったプロ生活。辛いことの方が多かった。それでも常に野球に没頭してきた。だからこそ、今後については「まだ何も考えていない」という。右腕が望めば球団としては球団内にポストも検討するが、斎藤佑の意思を尊重する方針だ。「ここまでずっと走り続けてきた。今の僕には立ち止まって考える時間が必要です」。“佑ちゃん”の第二の人生にも世間の注目が集まりそうだ。

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