浦和学院・森士監督、最後の夏「最高の舞台だな」選手は「終わらせたくなかった」

 3回までに投手3人を継投する采配を見せた浦和学院・森監督(右)=撮影・高石航平
 1回、適時打を放った浦和学院・藤井(8)を丸ポーズでたたえる浦和学院・森監督(撮影・高石航平)
 試合後、悲しみに暮れるナインに声をかける浦和学院・森監督(右から3人目)=撮影・高石航平
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 「全国高校野球選手権・2回戦、日大山形4-3浦和学院」(21日、甲子園球場)

 浦和学院が1点届かず。8強入りした18年以来3年ぶりの初戦突破はならなかった。今夏限りでの退任を表明していた森士(おさむ)監督は「甲子園で1勝するという厳しさをまた新たに思い知らされた試合だった。紙一重だったんじゃないかな」と穏やかな表情で最後の采配を振り返った。

 2点を追う八回に藤井の犠飛で1点差とした。さらに九回は2本の安打と四球で2死満塁。ここでこの日三塁打2本、二塁打1本と当たっていた4番・吉田瑞主将が遊ゴロに倒れた。試合は終わった。

 吉田瑞主将は「とにかく何とか1点かえして試合を終わらせたくなかった。本当に悔しいです。(監督は)とにかくいろんなことに対して厳しさの中にも愛情があって。監督と過ごした日々がすべて思い出です」と号泣した。

 先発した吉田匠は「親のように愛情をいただいた。コロナでクラスターが出た時も率先して動いてくださった。これまで育ててくれた森先生と一緒に勝ちたかったですが、結果を残せず申し訳ない気持ちと今までありがとうございましたという気持ち」

 主砲の藤井は「2年4カ月教えてきてもらったことを自分たちで発揮するということでやってきましたが、最後に自立という部分ができなかった。監督さんには諦めない心、逆境に立ち向かう心、技術はもちろんですが人間としての強さという部分を教わった」

 それぞれが恩師への感謝の思いを口にした。

 森監督は選手たちに対して「(甲子園に)導いてくれて、つれてきてくれて感謝の言葉しかありません」と労った。投手4人を継投し、その度に玉突き的に大幅な守備変更をする執念の采配も実らなかった。「(いままでの)甲子園のベンチサイドから見た映像すべてフィードバックする。最高の舞台だな」と言葉を紡いだ。

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