侍・村上 最年少21歳で2打点「2点差だったのでワンチャンスと思って」

 「東京五輪・野球・1次リーグ、日本4-3ドミニカ共和国」(28日、福島県営あづま球場)

 塁上で力強く握った右拳に、ヤクルト・村上の思いが凝縮されていた。勝利への執念をバットに込め、味方に勇気を与えた一打。「誰一人あきらめていなかった。逆転できるチャンスがあるんじゃないかと。2点差だったのでワンチャンスと思って、ベンチ一丸となってやれた」と試合の潮目を変えた快音を振り返った。

 2点を追った九回、1死一、二塁で迎えた打席。カウント2-2から4番手・アセンシオが投じた5球目、低めの変化球を完璧に捉えた。痛烈な打球は1点差に詰め寄る右前適時打。「一発で仕留められて良かった」。5球目まで一度もバットを振っていなかった中、一振りでアジャスト。非凡な打撃センスを見せつけた。

 2点を追う七回1死二、三塁では、一ゴロ間に三走・浅村が生還。1安打2打点でチームに貢献し「国歌斉唱の時に鳥肌が立ちました」と初々しさものぞかせた。チーム最年少の21歳。悲願の金メダルへ、さらなる大仕事をやってくれそうな気配を漂わせた。

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