聖カタリナ学園・川口 目指す聖地1勝!今春甲子園初出場もあと一本 4番の責任今度こそ

 第103回全国高等学校野球選手権愛媛大会の組み合わせ抽選会が27日、松山市内で行われた。春のセンバツ出場の第1シード・聖カタリナ学園の初戦は新居浜東と北宇和高三間分校の勝者に決まった。

 春のセンバツで甲子園初出場を果たし、春夏連続出場を狙う聖カタリナ学園。センバツでは東海大菅生(東京)に初戦で敗退。最後のバッターとなった4番・川口翔大内野手(3年)は甲子園での1勝を強く誓う。来月10日に開幕する「第103回高校野球選手権愛媛県大会」を制し、聖地に戻ってみせる。

 「あの時から自分の時間は止まってしまっている」。センバツから3カ月。今でも練習や試合中に三塁ゴロを打つと、甲子園での光景がよみがえってくるという。

 1-4、3点差で迎えた九回、カタリナ打線が最後の粘りを見せる。安打と四球で満塁とし、相手投手の暴投と犠飛で1点差。なおも2死満塁と一打サヨナラの場面で、打席には4番・川口が入った。劇的な幕切れへの期待は膨らみ、ナインの見せる勝利への執念が観衆を味方に付けた。

 「絶対外に投げてくる」。4番の自分に甘い球は来ない。だが相手も死球での押し出しは嫌なはず。アウトコース狙いに絞った川口はフルカウントからの7球目、133キロの直球を強振。鋭い打球は三塁手の正面を突き、そのままベースを踏まれた。「あの瞬間に、責任というか、全てがのしかかってきた感じがした」。ゲームセットの瞬間、川口は立ち止まり、頭を抱え、一塁までたどり着くことができなかった。

 「何をしていても思い出す」悔しさ。結果を出せず涙にくれた試合後「野球から離れたい」と思ったほどショックは大きかった。沈んだ気持ちを切り替え始めたきっかけは仲間たちの言葉だった。

 「翔大が打てんかったらしょうがない」

 「最後、翔大に回って終わったのなら諦めが付く」

 完全に切り替えられたかどうかは自分でもわからないという。しかし4番として信頼してもらっているのに、いつまでも沈んでいられない。「自分を責める人は1人もいなかった。支えられてプレーしているんだ」と、自らに言い聞かせる。仲間への感謝と責任感が強まり、野球への集中も取り戻している。

 「4番の仕事はチームを勝たせること。自分は4番の仕事ができなかった。カタリナの勝利がこの気持ちを解決する方法だと思う」。甲子園で味わった悔しさは、甲子園でしか晴らせない。県大会を勝ち抜き「戻らなければいけない場所」でリベンジを果たしてみせる。

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