関学大・黒原、中2日で2試合連続完封 今秋ドラフト候補の熱投で8年ぶりV王手

 「関西学生野球、関学大1-0同大」(23日、わかさスタジアム京都)

 関学大が同大を下し、8年ぶり15度目の優勝に王手をかけた。今秋ドラフト候補の最速151キロ左腕・黒原拓未投手(4年・智弁和歌山)が20日近大戦から中2日で先発登板。「1点あれば十分」と言わんばかりの投球で9回をわずか2安打に抑え、2試合連続完封勝利を果たした。

 立ち上がりのピンチは投手の真価が問われる。初回、味方の失策や四球で1死満塁の危機。「先にとられるといい感じでいけない」といきなりギアを上げた。入りは110キロ台の変化球。一転、帽子を落としながらこの日最速となる149キロ直球と、緩急で相手を翻弄(ほんろう)し、空振り三振と中飛で事なきを得た。初回から圧倒的な力を示した黒原。涼しい顔で汗をぬぐいベンチへ戻った。

 その後も八回まで安打1本許さぬ投球。最終回も146キロをマークするなど中2日を感じさせない、余力ある完封劇で今季5勝目を挙げた。

 この日は4球団8人のスカウトが集結。阪神・和田豊テクニカルアドバイザーは「勝負所を理解している。終盤でも球威が衰えていない」とスタミナ面を評価した。

 「集中していて疲れは感じなかった。気持ちよく投げられた」と笑顔を見せた左腕。24日・京大戦に勝利すれば優勝が決まる。「明日も投げるつもりでいる。全員で、なんとしても勝ちたい」と念願のVに向け、最後まで腕を振る覚悟だ。

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