主将の離脱で深まった絆 東海大相模 入院の大塚へ届けた「最高のプレゼント」

試合後、記念撮影する石田隼都(前列左端)、京本真(同右端)ら東海大相模と明豊の両ナイン(撮影・吉澤敬太)
大塚瑠晏主将のユニホームを持って閉会式の行進をする柴田疾(右から5人目)ら東海大相模ナイン(撮影・高部洋祐)
サヨナラ勝ちで優勝を決め、歓喜の東海大相模ナイン(撮影・高部洋祐)
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 「選抜高校野球・決勝、東海大相模3-2明豊」(1日、甲子園球場)

 東海大相模がサヨナラで接戦を制し、10年ぶり3度目の優勝を果たした。チーム一丸勝利の裏に、病床で闘う主将・大塚瑠晏内野手(3年)の存在があった。閉会式では、ナインが大塚の背番号「6」のユニホームを持ち、場内を一周した。

 大塚主将は急性胃腸炎を発症し、準々決勝の福岡大濠戦からベンチを外れた。現在も大阪市内の病院に入院中。この日の決勝・明豊戦もベンチ入りメンバーから外れた。朝、宿舎のナインに電話をつないで激励。主将代行を務めた門馬功外野手(3年)には「頼むよ」とメールが届いた。「絶対に日本一を取るね」と返した。

 サヨナラで優勝を決めた試合後、インタビューで門馬敬治監督は声を震わせながら「われわれはグラウンドで戦いました。大塚は病院のベッドで闘っています。ですけど、きょうは一緒に戦ってくれたと思います」と言葉を絞り出した。

 門馬主将代行は、校歌を歌いながら涙を流した。「瑠晏(るあん)の分まで日本一を取ったよと声を掛けたい。いままでキャプテンとして引っ張ってくれた。そういう気持ちは1人、1人、あったと思います」。門馬だけじゃない。小島大河捕手(3年)が「日本一という最高のプレゼントができてよかった」と笑みを浮かべると、エースの石田隼人投手(3年)も「一番に勝利を報告したいのは大塚。キャプテンがこのチームを引っ張ってきてくれた」と感謝した。

 主将の離脱でより深まった絆、固くなった結束。唯一の挑戦権を得た春夏連覇の偉業に向け、東海大相模の新たな戦いが始まる。

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