「ソフトバンク６－５ロッテ」（２８日、ペイペイドーム）

　敗戦まであと１ストライク。ソフトバンクは土俵際に追い込まれて意地を見せた。１点を追う九回２死満塁。代打・川島慶三内野手が益田の外角直球に食らいつくと、打球が右翼線で弾んだ。２人が生還。２試合連続サヨナラで、開幕３連勝へ導いたヒーローはナインにもみくちゃにされた。

　「最高過ぎます！」。お立ち台でも興奮を隠しきれないほど劇的な展開だった。１点を追う八回にデスパイネが逆転１号２ランを放った後、今季初登板の岩崎が九回に２点を奪われて逆転を許した。

　それでも誰も下を向かない。九回１死から代打・長谷川が右前打。２死後に今宮が二塁打でつないだ。川島は極度の緊張感に包まれた今季初打席で、レギュラーシーズンでは自身初のサヨナラ打を放った。

　工藤監督は「チームとしてこれだけかばい合うことは、なかなかできることじゃない。頼もしい選手たちです」と顔を紅潮させた。指揮官は開幕３連勝という事実以上に、チーム一丸の姿勢に大きな手応えを得た。