中日・大野雄 沢村賞初受賞 巨人・菅野との一騎打ち制し球界最高の先発投手に

 プロ野球草創期に活躍した沢村栄治投手(巨人)を記念し、シーズンで最も活躍した先発投手を表彰する沢村賞選考委員会が23日、東京都内で開かれ、両リーグトップの10完投を挙げた中日の大野雄大投手(32)が初受賞した。中日では2004年の川上憲伸以来、9人目(11度目)。ナゴヤ球場で会見した左腕は「球界最高の投手」として、エース道を突き進むことを誓った。

 受賞決定から2時間余り。会見場に姿を見せた大野雄からは心なしか緊張感が漂っていた。球界最高の先発投手に贈られる栄誉に背筋が伸びる。喜びとともに口をついたのは責任感だった。

 「すごくうれしかったです。目指すこともできないような遠い賞でまさかという感じ。普段の生活からしっかりしないといけないし、見られていると感じながら生きていきたいです」

 リーグトップの148回2/3を投げて11勝6敗。防御率1・82、10完投、勝率・647で選考基準7項目のうち3項目をクリアした。「一人で取れるのは想像できなかった」。一騎打ちとなった巨人・菅野への敬意も忘れなかった。

 杉下茂、権藤博、星野仙一、小松辰雄、今中慎二、山本昌広、川上憲伸ら、チームの過去の受賞者にはそうそうたる顔ぶれが並ぶ。「素晴らしい投手ばかり。自分の名がそこに加わると思うと不思議な感覚」。まだ実感は湧かなくても、エースの系譜に連なる覚悟はできつつある。

 言葉で、後ろ姿で、そして結果でチームを引っ張る。「吉見さんがそうだった。吉見さんのようになっていかないといけない」。今季限りで引退した先輩の教えを引き継ぐ決意も生まれた。

 既に視線は来季に向いている。「何年も続けてこそ評価される。来年以降も同じような成績を残せるようにやっていかないといけない。まずは優勝。それを第一に腕を振りたい」。球界最高の先発投手の肩書を手にした大野雄が10年ぶりの優勝を導く。

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