近大・佐藤、記念のボールは家族へ ドラフト間近でリーグ新記録の通算14号

延長11回、リーグ新14号の3ランを放つ近大・佐藤(撮影・坂部計介)
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 「関西学生野球、近大9ー7関大」(18日、ほっともっとフィールド神戸)

 今秋ドラフト1位候補の近大・佐藤輝明内野手(4年・仁川学院)が現行のリーグ新記録となる通算14号弾で勝負を決めた。そこまで無安打で迎えたタイブレーク方式の延長十一回無死一、二塁の打席で、右翼席に3ランをたたき込み「それまで全然いいところがなくてチームメートに助けられていたので。打った瞬間いくなと思いました」と喜んだ。

 前節に、近大の先輩でもある巨人・二岡智宏3軍監督に並ぶ通算13号アーチを放っていた中での一発。「偉大な先輩なので更新できてうれしいです」。試合後、記者の囲み取材の際には、記念のホームランボールを握りしめながら対応。この大事なボールはその後、家族にプレゼントした。

 「僕はあまり物にこだわりないので。(今までのは)ロッカーに眠ってます。今日は親戚も来てましたし、最後だけですけど、いいところを見せられて良かったです」

 元々、これまでのホームランボールにも無頓着であったように、佐藤自身にこだわりはなかったが、節目の1球ということで取材を終えると父・博信さんに手渡した。この日は母・晶子さん、2人の弟、さらに博信さん方と晶子さん方のそれぞれの祖父母も観戦に訪れていた。

 佐藤の大好物は、晶子さんのハンバーグ。「家の料理は本当に何を食べても美味しいです」。新型コロナウイルスによる自粛期間は、実家に帰省。「家族と過ごせたのが良かったですね」。2人の弟と野球をしたり、両親と過ごす時間に支えられた。佐藤ファミリー総出の一戦で恩返しの一発となった。

 「記録を更新したいと思ってやったことは一回もなかったです。1試合の中で『打ちたい』というその積み重ねです。通過点でもなくて、ほんとうに明日になれば明日打ちたいというそれだけです」

 リーグ戦は19日の関大戦が近大にとっての最終戦となる。ドラフト会議まであと1週間と迫っている。「ドラフトのことは置いておいて、リーグ戦でがんばることだけ集中してやりたい。(ドラフトは)12球団どこでも、ご縁があるところでがんばりたい」。この日は阪神や巨人などプロ7球団が視察。まずは最終戦に集中して、運命の一日を待つ。

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