「巨人５－４広島」（２２日、東京ドーム）

　勝ち星はつかなかったが、巨人のエース菅野の粘投に吉川尚が応え、今季３度目のサヨナラ勝利をもたらした。同点の九回２死三塁から右前打を放ったヒーローは一塁を回って万歳をして大喜び。仲間からのウオーターシャワーを心地良さげに浴びた。７９試合目で両リーグ５０勝一番乗りを果たし、優勝マジックを「３０」とした。

　ヒーローは「うちのエースが投げて、絶対に負けられない試合でした。最後まで集中力を切らさずに攻撃できたのでよかった」と興奮気味に振り返った。

　九回に守護神デラロサが追いつかれ、菅野の開幕１２連勝はお預けとなったが、その裏にドラマが待っていた。２死一塁。フランスアの一塁けん制悪送球で代走の若林が一気に三塁へ。

　「チャンスを作っていただいて絶対決めてやるという気持ちでした」と吉川尚。９月１日のＤｅＮＡ戦に続く自身２度目のサヨナラ打。その時も先発は菅野だった。この日の勝ちはつかなかったが、菅野の登板日は１４戦全勝となった。

　原監督は「勝負強さも、存在感も出てきて素晴らしい」と吉川尚を絶賛した。「阪神も勝ってるんでしょ」と笑ったが、「地に足を着けた野球ができている」と手応え。ライバルに関係なく、独走Ｖでゴールテープを切る。