巨人・吉川尚、神様・川上哲治氏に捧げたサヨナラ打「特別な日に勝てて良かった」

 「巨人3-2DeNA」(1日、東京ドーム)

 「打撃の神様」も天国で喜んでいることだろう。ボテボテの打球が前進守備の一、二塁間を抜けると、巨人・吉川尚は右手を突き上げた。今季2度目のサヨナラ勝ちで3連勝。「川上哲治生誕100年記念試合」を劇的勝利で飾り、原監督はスタンドのファンへ笑顔で手を振った。

 「巨人軍をつくられた代表する先輩のユニホームを着て、勝利で飾れたのは大変うれしい。先輩も喜んでくれているのではないかと思います」

 同点の九回無死満塁。吉川尚の意地の一振りで投手戦にピリオドを打った。エスコバーの156キロの直球を右前打。右の中島も待機していたが「彼は足が速いし当ててくれさえすれば何かが起こる」と原監督。2000安打達成の川上氏は「ボールが止まって見えた」という名言を残したが吉川尚は「やばいくらい速かった。特別な日に勝てたことはよかった」。球速に負けずに必死に食らいつき、指揮官の期待どおりの打撃で応えた。

 川上氏が現役時代に背負い、永久欠番となっている背番号16。この日はG戦士全員が、そのユニホームでプレーして躍動した。V9監督でもある同氏の記念試合で、今季最多の貯金15とし、2位とも最大6・5ゲーム差。「勝負の月をいい形でスタートがきれた」と原監督。13連戦初戦を大きな勝利で飾りVロードを突き進む気配が漂う。

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