「巨人１－０阪神」（１８日、東京ドーム）

　緊張の糸が解けたエースに笑顔が広がる。好リードの大城とマウンド上で抱き合った。わずか３安打で今季３度目の完封勝利。巨人・菅野が岡本の一発による１点を守り抜き、１９９０年の斎藤雅樹以来、球団史上３人目の開幕投手からの開幕８連勝を達成した。

　「まあできればね、たくさん点取ってくれて完封した方が楽は楽ですけど、まあ達成感ていうのは段違いですね」

　いつもとはひと味違う完封劇だ。１－０での完封は１７年４月２５日・広島戦以来自身２度目。これで通算完封数を２０の大台に乗せ、沢村栄治と並んだ。「名だたる先人の人たちの記録に追いついたり、記録を塗り替えるのはなかなか難しい。肩を並べられたのは誇りに思います」

　今季初の中５日。序盤は制球に苦しみ阪神打線に粘られた。三回を終え、球数は５０球。それでも「真っすぐ、スライダーの２択になってしまっていたので、色んなボールでいこうと、そういう組み立てを話し合いました」。女房役の大城と打ち合わせ、中盤以降緩急も織り交ぜる投球で今季３度目の虎封じを果たした。

　前回対戦で一発を打たれたサンズからは２三振を奪い、最大のピンチとなった六回２死二塁では右飛に打ち取った。「今日は借りをしっかり返せたと思います」。厳しい内角攻めでリベンジ成功だ。

　絶対的エースがチームの連敗を止めたのは今季３度目。原監督は「ジャイアンツの中でも名を残す投手になると思います」と絶賛した。さらなる高みへ。球団史を彩る偉大な先人たちへの挑戦は続く。