7・28コリジョン検証 安仁屋氏、藤田氏、中田氏の見解

 本塁上での走者と守備側の衝突によるケガを未然に防ぐ観点から、2016年に導入されたコリジョンルール。7月28日の広島対中日戦(マツダ)の八回、完全にアウトのタイミングで滑り込んできた中日・大島との接触を避ける形を取った広島・会沢のタッチプレーがリクエストでセーフに覆って同点となり、逆転負けにつながるシーンがあった。審判団の判定、守備側の最善策、コリジョンルールの今後など、デイリースポーツ評論家陣の声を織り交ぜ、検証する。

  ◇  ◇

【安仁屋宗八氏の見解】

 あのプレーはアウトにすべきだった。大島が滑り込む前に会沢の元にはボールが返ってきており、タイミング的には完全なアウトだった。しかし、本塁でのブロックは禁止されており、ホームベースを走者のために空けておかなければならないため、会沢のタッチは微妙なタイミングになってしまった。

 そもそも本塁でのブロック禁止は選手をケガから守るためのものであり、会沢はその規則にのっとったプレーをした。にもかかわらず、今回のような明らかにアウトのタイミングのものまでセーフになってしまうと、コリジョンルールそのものが成り立たなくなってしまうのではないか。

 疑問の残る判定が両チームの勝敗まで覆すような形になってしまった。審判団は今回のケースをきっちりと検証すべきだ。セーフで本当に良かったのか、今後のプレーに問題を残すことはないのか、見解を示してもらいたい。

   ◇  ◇

【藤田平氏の見解】

 捕手のブロックが禁止され、追いタッチになるプレーが増えている中で、タッチするタイミングを外されたという感じかな。ただ、守備側からすれば100%のディフェンスをしたのに、リプレー検証で見直したら、セーフでしたと言われて判定が覆るのは、野球の醍醐味がそがれる感じがするね。併殺プレーにしてもそう。タイミングは完璧にアウトなのに、足がベースから離れるのが早かったといって、リクエストでジャッジが変わるのも、試合の流れが止まってしまうし、野球そのものに対する興味を奪ってしまうような感じを受ける。今後の運用に関しては見直しが必要だと思うけど、難しい調整になると思う。

  ◇  ◇

【中田良弘氏の見解】

 完璧にアウトのタイミングだったから、会沢が少し遠慮したんじゃないのかな。足から滑り込んできた選手に対しては強くタッチにいける部分もあるんだろうけど、余裕でアウトにできるタイミングのところに手から滑り込んできたから。

 ただ、今回のプレーに関しては、大島がうまかったと見てる。普通なら足から滑り込んでアウトになるところ。しかも、右翼線に飛んだ打球に対して、最後は一塁側寄りに進路を取って右手を伸ばして滑り込んできた。一般的に一塁方向から来る送球に対しては、三塁側によけながらスライディングするものだからね。

 だから、リクエストで判定が覆ったことに対しての疑問だとか、間違ってるという考えはないね。

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