ノースアジア大明桜 代替大会優勝!全国一番乗り 東北大会出場権ゲット
「高校野球秋田大会・決勝、ノースアジア大明桜7-2能代松陽」(22日、こまちスタジアム)
秋田代替大会では全国でトップを切って決勝が行われ、ノースアジア大明桜が橘高康太投手と長尾光投手(ともに3年)のプロ注目右腕リレーで抑え込み、県の頂点に立った。第102回全国高校野球選手権の中止を受けて47都道府県での開催が決まっている代替大会では、全国最速での優勝決定。秋田王者として8月9日から宮城・石巻市で行われる独自の東北大会への出場権もつかんだ。
霧雨の中で六回途中から救援した長尾が最後の打者を空振り三振に斬ると、マウンド上にはノースアジア大明桜ナインの歓喜の輪ができた。甲子園出場が懸かっていない今夏。それでも、選手たちは喜びを爆発させた。
試合後の表彰式で行進する教え子の姿を、輿石重弘監督(57)は感慨深く見つめた。「本当に苦しかったと思います。目標を失ってしまって。思いをこの大会で晴らしてくれたかな」。堂々と戦い、最高の結果をつかんだ選手を称えた。
5月20日、春に続いて夏の甲子園も中止が決まった。コロナ禍によって見舞われた誰も経験したことのない悲運。どう向き合ってあげられるのか頭を悩ませていた翌日に、57度目のバースデーを選手たちが祝ってくれた。
ホールサイズのイチゴのショートケーキを渡されると、指揮官は泣きそうになった。「監督さんも悔しかったと思うので。監督さんを笑顔に、というのを目標にして」と先発の橘高。聖地でのプレーがかなわずとも、ナインは野球ができる喜びを胸に前を向いた。
輿石監督は「今年の大会はみんなで“心の甲子園”をつかもうということで戦って。本当に記憶に残る大会」と感無量だった。いつもと違う夏は、忘れられない夏となった。




