「オリックス５－３日本ハム」（２０１３年５月１１日、京セラドーム大阪）

　オリックス・糸井嘉男が初回から爆発した。日本ハム・谷元圭介のシュートに体を泳がされながらも強引に振り抜き右翼スタンド中段まで運ぶ３号３ラン。古巣・日本ハムからの一発で自身１２球団すべてから本塁打を記録。プロ野球２５人目の快挙となった。

　実は右膝靱帯損傷する中でのプレーだった。

　「１日１日全力でやってるだけ。エースが投げてるからね。絶対勝たなアカンと思っていた。勝ててホッとしている」

　打線の援護がなく３連敗中だった金子千尋に約１カ月ぶりの勝利をプレゼント。そしてチームを最下位脱出へと導いた。

　この年の１月に日本ハムから八木智哉とともに木佐貫洋・大引啓次・赤田将吾とのトレードで移籍したばかり。

　「意識はしていない」

　こう話したが、この時点で古巣との対戦は２５打数１３安打７打点、１本塁打。打率・５２０というカモぶり。古巣への意地が見られた。