【悼む】高木守道さん 不器用だけれど、嘘のつけない性格、本音の人

 中日元監督の高木守道氏が17日午前4時ごろ、急性心不全のため死去したことが分かった。78歳だった。中日一筋で現役時代は盗塁王のタイトルを3度獲得したほか、卓越した打撃や堅実な守備でファンを魅了した。1980年の現役引退後も、中日監督などを務めチームに大きく貢献した。

 「いぶし銀」「職人」-。1993年に中日担当になるまで高木監督に対して抱いていたイメージはこうだった。

 しかし、いざ担当記者として接してみると、現役時代にミスタードラゴンズと呼ばれたスターのオーラを放っていたし、また「激情家」の一面も持ち合わせていた。

 監督2年目にあたる93年は一時は首位に立ったものの2位に終わった。94年は独走する巨人に大きく引き離されて前半戦を終え、「出直し?もう出直せないんやない」と自虐的に語っていたのを思い出す。シーズン半ばでありながら監督交代が公然と語られるようになり、星野仙一氏が次期監督として取りざたされた。

 監督も忸怩(じくじ)たる思いはあったろうが、いつもと変わらぬ表情で毎日グラウンドへ姿を見せていた。“優勝を花道に”という思いが、チームを終盤の怒濤(どとう)の快進撃に導き、プロ野球の歴史に刻み込んだ、「10・8決戦」を演出したのかもしれない。

 無口で頑固。決して器用な人ではあったが、時折見せる笑顔、そして何より嘘のつけない性格、本音の人でした。「10・8」という歴史の舞台にかかわれたこと、監督ありがとうございました。(デイリースポーツ・赤尾直人)

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