【中田良弘氏の目】山口にプレッシャー与えた千賀の“投げっぷり”

 「日本シリーズ・第1戦、ソフトバンク7-2巨人」(19日、ヤフオクドーム)

 「SMBC日本シリーズ2019」は19日、ヤフオクドームで開幕し、ソフトバンクが第1戦を制した。

  ◇  ◇

 ソフトバンクの強さが際立った。巨人先発・山口は二回にグラシアルの逆転2ランを許したが、その後はしっかりと立ち直った。このまま投手戦かと思われたが、千賀の“投げっぷり”が山口にプレッシャーを与えたように見えた。

 千賀は二回、阿部に先制ソロを許したが、その後は鬼気迫るような投球。「1点もやらん!」の意志が伝わってきた。当然、その姿を山口も見ていただろう。それがプレッシャーとなり六回、1死三塁から柳田、デスパイネへの四死球のような投球に表れた。

 さらにソフトバンク打線は三回まで6三振だが、とにかく振っている。これも山口に「甘く入ればいかれる」という怖さを植え付けた。

 一見、豪快さが目につくソフトバンクだが、七回に見られたたたみかける攻撃のうまさも抜群だ。

 バントをしっかり決める。しかも隙あらば次の塁を狙う意識が徹底されているから、チャンスがどんどん広がっていく。

 巨人としては、引退を表明した阿部が素晴らしい先制本塁打を放った。そのムードに乗っていきたかった。この日は阿部の前を打つ岡本のタイミングが合わず心配だが、とにかく走者を置いて阿部を打席に送る形を取りたい。

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