履正社、悲願日本一へ5発爆勝発進 06年智弁和歌山に並ぶ1試合大会タイ記録
「全国高校野球選手権・1回戦、履正社11-6霞ケ浦」(7日、甲子園球場)
履正社(大阪)はドラフト候補の井上広大外野手(3年)のソロや、桃谷惟吹外野手(3年)の2発など大会タイの1試合5本塁打を記録し快勝。
炎天下の甲子園が何度も大歓声に包まれた。2006年の智弁和歌山の大会記録に並ぶ1試合5本塁打。履正社の強力打線が快音を響かせた。
大記録の先陣を切ったのは1番・桃谷だ。初回、カウント2-2からの5球目。外角高めの直球を捉え、右翼スタンドへ。先頭打者アーチで霞ケ浦のプロ注目右腕・鈴木寛の出ばなをくじくと、4番・井上が続く。2死後、スライダーに反応し、豪快にスイング。詰まったかのように見えたが、持ち前のパワーで左翼へ通算47号を放り込んだ。
その後も三回に8番・野上聖喜内野手(3年)が左翼へ2ラン、五回は7番・西川黎外野手(3年)が左翼へソロを放った。そして九回、2死から桃谷が甘く入ったチェンジアップを左中間へ、この試合2本目の一発。「(2本とも)入るとは思わなくて。自分でも驚いています」と照れ笑いを見せた。
練習では鈴木寛の得意とする縦のスライダーに合わせてマシンを設定。対策が功を成した。「しっかり振り抜くことができた」と井上。今春センバツで星稜・奥川に無安打2三振に抑えられ、打撃を一から見直した4番は「追い込まれてからが勝負だ」と自身に言い聞かせ、ボール球に手を出さないように見極めを意識してバットを振り続けた。その成果は出始めている。
「チームが勝つことを最優先。自分のやるべきことをやるだけです」と語った井上。2回戦でもプロ注目右腕・前を擁する津田学園と対するが、チーム一丸の総力戦で悲願の日本一へ駆け上がる。