“令和の怪物”投げずに初戦敗退…大船渡・佐々木「すべて夏に勝つため」

 「春季高校野球岩手大会・1回戦、釜石5-4大船渡」(18日、野田村野球場)

 最後の春は短いものとなった。最速163キロ右腕の佐々木朗希投手(3年)擁する大船渡は18日、岩手県野田村野球場で釜石に延長十回サヨナラ負けを喫した。“令和の怪物”は「4番・右翼」で先発出場したが、登板機会はなく初戦敗退となった。今夏の岩手大会はノーシードとなり、念願の甲子園出場は厳しい道のりとなりそうだ。

 日米7球団のスカウトを前に、今秋ドラフトの目玉はマウンドとは違う場所で早すぎる敗戦に唇をかんだ。佐々木は右翼から気丈に試合終了の整列へ向かったが、「すごく悔しい」とショックを隠せず。主砲として4打数1安打に、「チャンスで1本が打てなかった」と責任を負った。

 “本業”へ心の準備はできていた。ただ、「チームの総合力を上げたい」という国保陽平監督(32)の狙いから出番はなし。試合中に一度もブルペンへ向かわず、貴重な公式戦の登板機会を失った。

 甲子園切符獲得へ、試金石の場が不足したのは痛い。佐々木が今年に入って投げた公式戦は、春季岩手大会・沿岸南地区予選での1試合のみ。公式戦と練習試合では重圧、肉体の疲労度は大きく違う。監督の方針とは言え、聖地を目指す佐々木自身が夏の厳しい戦いを乗り越えられるか、一抹の不安が残る。

 目標にしていた今春の東北大会出場どころか、夏のシード権も逃した。肩や肘の故障を防ぐために、直近では球速をセーブしながらの投球。強豪を相手に“本気”を出さないまま、今夏の岩手大会を迎えることになる。

 佐々木は敗れた現実をしっかりと受け止め「経験値として残念ですけど、それもすべて夏に勝つため」と前を向いた。短い春を糧として、最後の夏を長いものにしてみせる。

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