龍谷大平安サヨナラV 「梅干しじいちゃん」野沢12回1失点完投
「秋季高校野球近畿大会・決勝、龍谷大平安2-1明石商」(4日、ほっともっとフィールド神戸)
龍谷大平安が延長十二回逆転サヨナラ勝ちで5年ぶり6度目の優勝を決めた。先発・野沢秀伍投手(2年)が12回1失点で完投。前回優勝した13年は、翌14年のセンバツを制しており、“吉兆V”となった。
劇的な勝利の立役者は「梅干しじいちゃん」だった。野沢が連投となった決勝で12回1失点完投。穏やかな風貌から原田英彦監督(58)にあだ名を付けられた左腕が、堂々と179球を投げ抜いた。
延長十二回に先制されても気持ちを切らさなかった。「自分で投げ切ろうと思った」。続く1死二塁で追加点を阻止。同十二回2死満塁で多田龍平捕手(2年)が逆転サヨナラ打を放つと、勢いよくベンチを飛び出した。
背番号1を背負った秋季京都大会は、結果を残せず今大会は背番号11。あだ名も奮起の材料だった。「僕の顔がじいちゃんみたいなこともあるけど、まだ監督に認められていないからだと思う。野沢と呼ばれるようになりたい」。今大会は4試合で26回2失点と結果を残し、原田監督も「もうじいちゃんとは呼べませんね」と一本立ちした左腕を認めた。
秋季京都大会3位から天理、履正社、明石商と1位校を3校も破った。原田監督ですら「ここまで行くとは思わなかった」と驚く下克上V。勢いに乗って明治神宮大会でも初優勝を狙う。