広陵、12年ぶりV 石原好救援0封 中井監督も絶賛「非常に素晴らしい」

 「秋季高校野球中国大会・決勝、広陵6-2米子東」(4日、倉敷マスカットスタジアム)

 決勝戦が行われ、広陵が6-2で米子東を下し、12年ぶり11度目の優勝を果たした。二回途中から2番手で登板した石原勇輝投手(2年)が7回5安打無失点の11奪三振と好投。逆転の流れを呼び込んだ。来春のセンバツ出場が確実なチームは、明治神宮大会(9日開幕、神宮)に中国地区代表として出場し、10日に北信越地区代表の星稜(石川)との初戦を迎える。

 表情ひとつ変えない姿が頼もしかった。0-2の二回2死一、二塁。森勝哉投手(2年)に代わって登板した石原が、二ゴロで切り抜けた。「早い回から出番が来ると思い準備していた」。1点が追加されれば米子東に流れが傾く場面。完璧な火消しだった。

 縦に大きく割れるカーブと直球を軸に緩急を自在に操った。三回以降は毎回奪三振。2本の内野安打と四球で2死満塁とした八回は見逃し三振で乗り切った。「石原が非常に素晴らしい投球をしてくれた」。中井哲之監督(56)は背番号「10」を手放しでたたえた。

 強気が持ち味だ。「どんな場面でも内角に投げられる」とバッテリーを組んだ秋山功太郎捕手(2年)は言う。八回のピンチでもそうだった。失投が大量失点につながる場面でも内角のサインに首を振らない。最速は139キロながら打者を牛耳ってきた。

 投手陣は最速148キロ右腕の河野佳投手(2年)とこの日先発した森、そして石原の3人が軸だ。「普段は仲が良いけどグラウンドに出たらライバル」と石原。切磋琢磨(せっさたくま)することで力を付けてきた。

 来春のセンバツ出場は確実で、03年春以来となる頂点を目指す。「競争は激しい。これからの練習を見守りたい」と中井監督。甲子園のマウンドに立つための戦いは続いていく。

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