ソフトバンク・甲斐、6連続盗塁阻止 キャノン砲で日本S新!

 「日本シリーズ・第6戦、広島0-2ソフトバンク」(3日、マツダスタジアム)

 福岡ソフトバンクが広島を下し、4勝1敗1分けで2年連続9度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本一に輝いた。原動力となったのは広島の機動力を6度封じた甲斐拓也捕手(25)の強肩だ。この活躍で、最高殊勲選手(MVP)に初めて選ばれた。

 甲斐にとって、悲喜入り交じる記憶のマツダスタジアムで最高の歓喜に酔いしれた。育成ドラフト出身者で初の日本シリーズMVP。捕手では2009年の巨人阿部、パでは1962年の東映種茂以来の快挙に「びっくりした。投手の方が一生懸命クイックやけん制を頑張ってくれたおかげ。(広島の機動力には)不安もあったがこういう形で終われてよかった」と笑顔を見せた。

 この日も序盤にコイの戦意をそいだ。初回1死一塁。丸に対する2球目に二盗を試みた田中を刺し、二回2死一、三塁では一走の安部を刺した。

 このシリーズでは一度も盗塁を許さなかった。開幕戦から4試合連続(4者)で阻止。4者連続は1958年の巨人藤尾以来、60年ぶりの快挙で、さらに第6戦の2度で6者連続として新記録も樹立した。シリーズ計6個目も52年巨人広田に並ぶタイ記録となった。

 今季12球団トップを誇る盗塁阻止率4割4分7厘の「甲斐キャノン」。強肩ぶりが注目されるが、遠投は115メートルとプロの世界では決して突出したものではなく、身長も170センチと小柄。甲斐は「肩は強くない。動作が速いんだと思う」と話す。育成ドラフト6位で入団して「この世界で生き残るために」と、磨きをかけた技術が大舞台で一気に日の目を見た。

 広島出身で17年から加入した元捕手の達川ヘッドコーチとの出会いは「人生が変わった」と言う大きな転機となった。レギュラーをつかみつつあった昨季の交流戦。「失敗したら2軍に落ちると思わなくていい。思い切りやれ」との同コーチの言葉が励みとなった。甲斐は恩師に「優勝できました」と握手を求めた。すると「こっち向くな、こっち向くな」と言う同コーチの目には光るものがあり、自身も目頭を熱くした。思い出深い広島で、チームの原動力としてシリーズの連覇を決めた。

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