日本ハム一丸 被災北海道に勝利届けた 中田シーズン歴代2位タイ12本目犠飛
「楽天1-3日本ハム」(9日、楽天生命パーク宮城)
北海道地震後初勝利に日本ハム・中田は静かに口を開いた。「勝って勇気を与えられているか分からないけど、野球しかないので。できることが」。元に戻るわけでも、困難な状況が解消されるわけでもない。ただ、誰かの心に一瞬でも明かりをともせるかもしれない。その可能性を信じて打席に向かった。
一回1死一、三塁で藤平の直球を右翼へ運び、犠飛で先制点をもぎ取った。今季12本目の犠飛で王貞治、清原和博らを超え、原辰徳らに並ぶ歴代2位タイに。「みんながつないでそういう場面を作ってくれている。感謝したい」。直後に追いつかれたが、二回に浅間の2ランで勝ち越し、投手陣も踏ん張った。中田は「良いゲームができた」とうなずいた。
地震の影響で、札幌ドームで予定されていた11日からのロッテ2連戦は中止。その間チームは、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で練習することになった。「ファイターズの試合を見てるどころじゃない人も多いと思うけど、勝ったし良かったね、と思われるような試合をしたい。しっかり準備をするだけ」。困難にも今はただ立ち向かっていくだけだ。