村田修一、涙の引退「野球人生に悔いはありません」

 チームメートから胴上げされる栃木・村田(撮影・三好信也)
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 「BCリーグ、栃木8-8群馬」(9日、小山運動公園野球場)

 “男・村田”が泣いた。昨年限りで巨人を退団したBC・栃木の村田修一内野手(37)が9日、引退試合となる群馬戦に「4番・三塁」でフル出場し、5打数1安打。試合後のセレモニーで胴上げされ、現役引退を正式表明。人目をはばからず号泣し、16年のプロ生活に別れを告げた。

 感極まった。引退試合後のセレモニー。村田の目は真っ赤だった。スピーチで「今日をもって私は現役を…」と声を詰まらせた。「言わないで」とスタンドから悲痛な声が飛ぶ中、「引退します」と正式表明し、号泣した。

 夫人や息子たち、アマ時代の同僚らも駆けつけた栃木の今季最終戦。七回の第4打席で中前打を放ち5打数1安打。8対8の九回無死一塁の場面ではチーム打撃に徹して一ゴロ。現役最後の打席で「フルスイングしてもいいんでしょうけど、勝利最優先」と信念を貫いた。

 昨オフに巨人を自由契約になり、今年3月に栃木に入団。今季中のNPB復帰を目指したが、実現しなかった。希代のスラッガーが挫折と計り知れない悔しさを味わった。「葛藤もありましたが、みんなに支えられて今日まで野球をすることができました」。少年時代からサポートしてくれた両親、そして「何よりも家族に感謝しています」。涙を流して、あふれる思いを打ち明けた。

 「未練がないと言えばうそになりますが、野球人生に悔いはありません」。今後は未定で「ゆっくり考えながら進んでいきたい」。多くのファンや球界関係者に惜しまれ、村田がユニホームを脱いだ。

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