丸亀城西・エース大前 笑顔で甲子園去る「負けても泣かないと決めていた」

 「第100回全国高校野球選手権・1回戦、日南学園2-0丸亀城西」(8日、甲子園球場)

 13年ぶり5度目出場の丸亀城西(香川)は、日南学園に完封負けを喫し、夏の甲子園初勝利はならなかった。先発のエース右腕・大前輝明投手(3年)は9安打2失点(自責1)。打線が4安打と援護に恵まれなかったが、マウンド上ではモットーの「笑顔」で力投を続けた。

 エースは最後まで笑顔だった。9安打2失点で完封負け。チームは5度目の出場でまたも夏の甲子園初勝利を逃した。「いつも通りを心掛けたけど、いつも通りの投球ができなかった」。126球で完投した丸亀城西・大前は、しっかり前を向いて敗戦を振り返った。

 7日に河本浩二監督(51)から先発を言い渡された。香川大会では背番号11の真鍋祐樹投手(3年)が先発を務め、大前はリリーフで試合を締めるのが役割だった。

 その必勝パターンを崩して臨んだ甲子園初戦。二回に先制点を許したが、大前はモットーの「笑顔」を絶やさなかった。もともと無表情で投げるタイプだったが「自分が笑顔でいれば、みんなも笑顔になってチームに流れがくる」と、この夏からマウンド上で意識的に笑うようにした。実際に香川大会では、大前がリリーフ登板したあとに打線が爆発する試合が続いた。

 0-1で迎えた八回。1死一塁から相手1番打者が放った二ゴロを、二塁手の中川斗蒼内野手(3年)が悪送球。ピンチが広がったが、大前は目いっぱいのスマイルで中川を励まし、相手打線に立ち向かった。しかし、3番打者にタイムリーを浴びて追加点を献上。打線の援護がないままゲームセットを迎えた。

 試合後、敗者のお立ち台に上がった大前に涙はなかった。「負けても泣かないと決めていたので。100回目の甲子園に来られたのはすごくうれしかったけど、1勝できなかったのは心残りです」。夏の初勝利を後輩に託し、エースは笑顔で甲子園を去った。

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