報徳8年ぶり15度目夏切符  虎の恋人・小園ヘッスラでV貢献「日本一になる」

 「高校野球東兵庫大会・決勝、報徳学園2-0市尼崎」(28日、ほっともっとフィールド神戸)

 東兵庫大会では報徳学園が市尼崎を下し、10年以来8年ぶり15度目となる夏の甲子園出場を決めた。今秋ドラフト1位候補・小園海斗内野手(3年)はヘッドスライディングで生還するなど、気迫のプレーで優勝に貢献。広島大会決勝は、広陵が広島新庄を延長十回サヨナラで下し、2年連続で甲子園出場を決めた。優勝回数は、広島商を抜いて県内最多となる23度目になった。奈良大会は奈良大付が天理を下して初出場を手にした。

 波打つスタンドと、歓喜の輪がにじんだ。九回2死一塁。小園は左翼が飛球を捕球したことを確認すると、少し遅れてマウンドへ。視線の先にある仲間たちの姿を見ると、自然と涙があふれた。

 自身にとって4強に進出した昨春センバツ以来の甲子園。「1、2年の時は悔しい思いをしたことが込み上げて…。ここまで長かった」。兵庫大会は昨秋が3回戦、今春は2回戦で敗退。苦しい時期を乗り越えた分、感情を抑えきれなかった。

 聖地への思いをプレーで表現した。三回無死は右翼フェンスを直撃する二塁打。二塁走者だった五回1死満塁は、一塁手がゴロを後逸すると50メートル走5秒8の俊足を飛ばした。

 「気合が入っていた。必死に走った」。本塁にヘッドスライディング。2点目のホームインを果たすと、ガッツポーズでほえた。

 この日は複数球団が視察。阪神・熊野スカウトは「大会を通して体が動いていた。能力は(高校生の中で)抜けている。甲子園でも暴れてほしい」と評価する活躍だった。

 昨春センバツ後から指揮を執る同校OB・大角健二監督(38)は、就任後初の甲子園出場となった。選手と同様に甲子園への思いは強かった。

 報徳学園と甲子園は西宮市内にあり、直線距離で約5キロ。昨年末の練習締めと、年始の練習始めには、全員の思いを一つにするために、全部員と一緒に甲子園まで走った。「評価されていた世代なのにふがいない結果だった。苦労を思い出して…」。校歌を聞くと、目頭を押さえた。

 ただ、本当の戦いはこれから始まる。小園は力強く言った。「絶対、日本一になる」。帽子のつばには「日本一のショート」と記している世代屈指の逸材。頼もしい仲間と同世代の頂点を目指す。

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