「日本ハム５－２オリックス」（３０日、札幌ドーム）

　日本ハム・宮西尚生投手が誇らしげに笑った。３点リードの七回１死一塁の場面で、通算６００試合目のマウンドへ。無安打無失点と完璧な投球で役割を遂行し、巨人・山口鉄が持つ歴代１位の２７３ホールドに並んだ。

　プロ１年目の０８年シーズンから５０試合以上の登板を続ける鉄腕。「心が折れそうなときは何度もありましたけど、山口さんや岩瀬さん（中日）に記録を作っていただいていたので。乗り越えられたと思います」。偉大な先輩の背中に追いついた今、改めて自身の原点を思う。

　「１、２年目のとき。金子さん（現内野守備走塁コーチ）に『長く生きていくためには、今持っている球を磨け』と言われて…。それが今も生きています」

　直球とスライダーを磨き、球界を代表する左腕になった背番号２５。栗山監督も「言葉では言い尽くせないほどの素晴らしい記録」と賛辞を惜しまない。６月最終日を勝利で飾ったファイターズは、首位・西武をゲーム差なしの２位で猛追する。