梨田監督が辞任 借金20で申し入れ 平石ヘッド兼打撃コーチが監督代行

 「交流戦、楽天1-2阪神」(16日、楽天生命パーク宮城)

 楽天は16日、梨田昌孝監督(64)が今季の成績不振の責任を取って辞任することを発表した。この日の阪神戦(楽天生命パーク)に敗れてチームの借金が今季最多の20となり、梨田監督は球団に辞任を申し入れ、了承された。17日の阪神戦(同)からは平石洋介ヘッド兼打撃コーチ(38)が監督代行を務める。

 ベテラン監督が、苦渋の決断を下した。「借金20というのが自分の中の区切りで、ひとつのラインだった。きょう負けた段階で立花社長に辞任を申し入れました」。63試合を終え、21勝41敗1分け。責任の重さを痛感した指揮官の意志は固かった。

 Aクラス入りした昨季のこの時期は優勝争いを演じていたが、今季は開幕から低迷。その要因は投打に及び、今季のチーム打率は両リーグワーストの・229と苦しんだ。投手陣も、昨季は鉄壁だった守護神・松井らブルペンの不調もあり、歯車がかみ合わないまま。何とか交流戦で巻き返そうと臨んだが4勝12敗。流れは変えられず借金は膨れるばかりだった。

 「6月にマイナス20というのはひどい数字。それと、仙台で7勝24敗というね。本拠地で勝てないのはね、監督の責任ということ」と梨田監督。1月には星野仙一球団副会長(享年70)が死去。「去年の悔しさもあって、全員がその気持ちでやっていて、1月に星野さんが亡くなられて…。それが絶対勝たなくてはいけないというプレッシャーになったのか。チャンスのときに、『おいしいぞ』と思って打席に入ればいいが、金縛りにあったようにガチガチにさせてしまった。監督の責任」と自らを責めた。

 歴代16位の通算805勝を挙げた名将。近鉄、日本ハムの2球団で優勝に導き、星野球団副会長に続く史上4人目の3球団優勝を自身の目標としていた。しかし、その夢を東北で果たすことはできなかった。

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