ソフトバンク内川「残念な男」 九回二死満塁で2000安打足踏み
「ソフトバンク2-5オリックス」(6日、ヤフオクドーム)
試合後、駐車場まで続くベンチ裏の通路を、ソフトバンク内川を幾重にも囲む報道陣が一団となって動いた。中心でうつむく内川の胸の内は混沌(こんとん)としていた。悔しさ、もどかしさ、ふがいなさ-。第一声に、心の叫びがにじみ出た。
「つくづく残念な男だと思います」
舞台は完璧だった。3点差の九回。2000安打に王手をかける内川に打席が回るには、3人の出塁が必要だった。2死から途中出場の高田が増井から中前打を放つと、今宮も左前打で続き一、二塁。柳田がフルカウントから8球目のフォークを見極め、2死満塁の場面ができあがった。
一発が出れば、グランドスラムのサヨナラ弾で2000安打達成-。スタンドは異様な盛り上がりを見せ、チームメートはベンチから身を乗り出して声を出していた。
カウント1-1からの3球目。増井の外角高め153キロを捉えた。鋭いライナーが右方向へ飛んだが、打球はロメロのグラブへ収まった。歓声はため息に変わった。五回に中犠飛は放ったが、本拠地3連戦は10打数1安打に終わった。
「4番として、試合を終わらせる残念な男だと思う。それ以外はないです」
メモリアルデーは、8日・西武戦以降に持ち越された。この悔しさを、首位を独走するレオ相手にぶつける。