向陽、7年ぶりに夏の和歌山大会でのシード権獲得 海草中時代に夏連覇

 「春季高校野球和歌山大会・準々決勝、向陽4-2熊野」(6日、紀三井寺球場)

 海草中時代の1939年、40年に夏の甲子園を連覇した向陽が、熊野を破って7年ぶりに夏の和歌山大会でのシード権を獲得した。

 背番号1・小林亮太投手(3年)が、2点ビハインドの6回から4回2安打無失点の好投を見せると、打線は8回に4安打で4点を奪って逆転勝ちした。

 向陽は和歌山県内有数の進学校で、野球部にも偉大なOBがいる。1939年夏の甲子園出場時のエース・嶋清一投手は、前人未到の全5試合を完封して優勝へ導いた。しかも準決勝、決勝は2試合連続ノーヒットノーラン。のちに戦死し、伝説の大投手と言われている。

 後輩たちは入部時に嶋投手の生涯が書かれた本を渡され、偉大なOBの足跡をたどっている。小林も2度読み切り、戦火に散った先輩の無念を知った。

 「憧れの方だし、殿堂入りもしているすごい方。向陽の投手は嶋さんに近づかないといけないと思う」

 2010年のセンバツに21世紀枠で出場した際には、背面に「Feel our Happiness of playing Baseball in a Peaceful time!」と書かれたセカンドユニホームを作製した。今も新入部員は嶋さんの本とともに、そのユニホームを購入。野球ができる喜びを感じながら文武両道を目指している。

 甲子園には1回戦で開星を破った2010年のセンバツ以降、遠ざかっている。夏の甲子園は海草中だった1947年を最後に出場がない。小林は「向陽を応援してくれる人は多い。応援してくれる人に恩返しをしたい」と意気込む。次戦、準決勝の相手は、センバツ準V・智弁和歌山。伝統校が夏へ向けて高い壁に挑む。

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