東海大相模、大応援にのまれた 先発野口「4点リードしている気がしなかった」
「選抜高校野球・準決勝、智弁和歌山12-10東海大相模」(3日、甲子園球場)
智弁和歌山が延長で東海大相模(神奈川)を下して、18年ぶりの決勝進出を決めた。
雰囲気にのみ込まれた。4点リードの八回。四回途中からマウンドに上がっていた東海大相模のエース・斎藤礼二投手(3年)がつかまった。
2死二、三塁から智弁和歌山の3番・林に高めを完璧に捉えられた。「ヒットになるような球じゃないんですけど…。すごかったです」。2点を失うと連続四球で満塁とし、6番・黒川に同点打と一気に畳み掛けられた。
試合が振り出しに戻ると勢いを止められなかった。延長十回に勝ち越し犠飛を許すと、再び黒川に痛打を浴びた。6回1/3、126球を投げて7失点。「自分の力不足です」と完敗を認めた。
想像以上の敵の大応援団だった。初回、味方打線が4点先制。主導権を握ったはずだったが、球場のムードはむしろ智弁和歌山の方へと傾いていく。シーソーゲームの展開で、三塁アルプス席から押し寄せる大声援の波にあらがえなかった。
先発の野口裕斗投手(2年)は「球場と智弁(和歌山)とやっている感じ。4点リードしている感じがしなかった」とうなだれた。門馬敬治監督(48)も「スタンドを巻き込めるチームであることが頂点に近いのでは」と脱帽。甲子園の準決勝は8度目で初黒星。投打に隙のない戦いで勝ち上がってきた“東の横綱”にとって、甲子園の怖さを思い知る敗戦となった。