松山聖陵・土居147キロ 自己最速更新も無念8失点降板…聖地初星ならず
「選抜高校野球・2回戦、近江8-5松山聖陵」(28日、甲子園球場)
初出場の松山聖陵(愛媛)は近江(滋賀)に敗れ、甲子園初勝利はならなかった。身長191センチのプロ注目エース右腕・土居豪人投手(3年)は、自己最速を3キロ更新する147キロをマークしたが、11安打8失点で六回途中降板と悔しい結果に終わった。
甲子園のレベルの高さを痛感した。140キロを超える自慢の速球が簡単にはじき返された。11安打を浴び、8失点で六回途中降板。松山聖陵のエース・土居は「自分に力がないのが分かった。自分の弱さが分かった」と唇をかんだ。
初回を三者凡退に抑え「今年に入って一番調子が良かった」と振り返る。191センチの長身から投げ下ろす球の威力に手応えはあったが、二回に先頭の4番・北村に低め直球を左前へ痛打された。「厳しいところに投げた球が打たれ、動揺した」。この回、打者9人で6安打の猛攻を浴び、大量5点を失った。
チームが目指していた甲子園初勝利には届かなかったが、夢の舞台でインパクトは残した。打ち込まれた二回に自己最速を3キロ更新する147キロをマーク。「3年の夏までに出したい」と入学当初から目標に掲げている「150キロ」にグッと近づいた。
同校が甲子園初出場を果たした16年夏のエース・アドゥワ誠投手(広島)とも比較されるプロ注目の右腕。大会直前には、そのアドゥワからチーム全員にTシャツが贈られた。背中には「失敗するのは当たり前 成功したら男前」という言葉がプリントされている。アドゥワが甲子園出場時に帽子に記していたモットーだ。
先輩の期待には応えられなかったが、この失敗を無駄にはしない。「しっかりコースに投げられるように、一からやり直したい。夏までにもっと力をつけて、ここに戻って来たい」。甲子園で“男前”になるために、未完の大器は厳しい鍛錬を続ける。