高知、主将が骨折…記録員としてベンチ入り 感謝と自責「夏、来たい」

 「選抜高校野球・2回戦、明秀学園日立10-1高知」(27日、甲子園球場)

 車いすに座る高知の島内は言葉を紡ぎながら唇をかんだ。「みんなは自分の分まで戦ってくれた」と感謝すると同時に「迷惑をかけたという思いがあります」と自身を責めた。1-10で大敗。グラウンドで何もできない自分がもどかしかった。

 主将として、先頭に立つはずだった。アクシデントは14日、高知市内で行われた土佐との練習試合で起こった。三塁へ滑り込んだ際に左足首を骨折し、17日に手術を受けた。患部はボルトで固定。今大会の試合出場が消えた瞬間だった。

 「これくらいしか、できることはない」。チーム3投手の性格やデータをA4用紙5枚にまとめ、緊急で捕手を務めることになった中畑隆之介内野手(3年)に手渡した。さらに自身のミットも。勝利の思いを込めた。

 試合は背番号のないユニホームを着用し、記録員としてベンチ入り。大舞台で戦うナインを鼓舞しながら、チームの課題が見えた。「守備の時にベンチからの声が少なかった。流れを持ってこられない」。ベンチにいたからこそ感じられたことを、今後のチーム力アップにつなげていく。

 全治2カ月でギプスが外れるのは2週間後。医師からは完全復活まで5カ月必要と言われている。それでも「1日でも早くグラウンドに戻って夏、甲子園に来たい」。厳しいリハビリを乗り越える覚悟を決めた。

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