東の横綱・東海大相模が12点発進 エース斎藤 びっくり公式戦1号

 「選抜高校野球・2回戦、東海大相模12-3聖光学院」(27日、甲子園球場)

 7年ぶり10度目の出場となった東海大相模は12安打12得点と自慢の強力打線が爆発し、聖光学院を圧倒した。プロ注目のエース・斎藤礼二投手(3年)が昨秋に右手を骨折した影響を感じさせない投球で8回2/3を3安打3失点。打者としても初回に3ランを放ち、大勝発進の主役となった。同じくドラフト候補の森下翔太外野手(3年)は「3番・中堅」でフル出場し、2安打で勝利に貢献した。

 7年ぶりの春制覇を狙う東海大相模に、頼もしいエースが帰って来た。昨秋の公式戦で39回2/3を投げて無失点だった斎藤が、初体験の甲子園で堂々のピッチングを披露。右手骨折からの復活を印象づける124球だった。

 立ち上がりに苦しんだ右腕は自らのバットで立ち直った。初回先頭への四球をきっかけに先制点を許した。その裏、味方打線が2-1と簡単に逆転。さらに1点を加えて2死一、二塁で迎えた斎藤の第1打席、内角のスライダーに体がうまく反応した。

 「切れるな」と願った打球は右翼ポール際に吸い込まれた。試合の主導権をつかむ3点本塁打。自身も驚く公式戦1号に「勢いのまま行っちゃいました」と早足でダイヤモンドを一周した。

 本業のピッチングでも、二回以降は持ち味を発揮した。手元で伸びる直球と、縦に大きく割れるカーブを軸に聖光学院打線を翻弄(ほんろう)。完投こそ逃したが、相手に付け入る隙を与えなかった。

 最高の親孝行にもなった。この日はタレント・井森美幸(49)をいとこに持つ母・徳江さん(52)の誕生日。「生涯一のプレゼントです。今までプレゼントなんかあまりもらっていないので、ためておいた分を一度にもらった感じ」と徳江さん。アルプス席の母に勝利をホームランボールとともに届けた。

 強い気持ちでマウンドに立つ。昨秋の神奈川大会決勝で右手に死球を受けて骨折。「投げられないまま(昨秋の)関東大会で負けて。その悔しさを晴らしたい」。復帰に向けて徹底的に下半身を強化した結果、直球のキレと変化球の精度もアップ。「進化していると思います」と自信をつかんだ。

 「憧れていた舞台なので、1勝できてうれしいです」。背番号「1」がフル回転すれば、“東の横綱”が3度目となる春の頂点にグッと近づく。

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